乳幼児のいる家庭の参考に!保育園の防災訓練でやってること

防災意識の高まりとともに防災教育にも関心が高まっています。子どもたちを長時間預かる保育園でも、防災訓練が毎月行われています。その訓練内容には乳幼児のいる家庭でも参考にしていただけることが多くあります。この記事では、保育園での防災訓練に加え、家庭で取り入れられる「防災訓練遊び」をいくつか紹介します。

0歳から毎月参加!保育園の防災訓練

日本の認可保育園は「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」で毎月1回の避難訓練の実施が義務付けられています。認証・認可外保育園でも、認可園に準じて定期的に避難訓練を取り入れています。

防災訓練のメインは、防災訓練の中でも避難を伴う「避難訓練」です。「避難訓練」と一言でいいますが、地震・火災・水害・不審者の侵入などありとあらゆるケースを想定して行われており、基本的に園児は0歳児から参加します。園児と保育士だけでなく保育士以外の職員も参加することになっています。

 

保育園の防災訓練には、大きく分けて3つの目的があります。

  1. 子どもが避難に慣れる
  2. 保育士・職員が災害時の動線や指示系統の確認をする
  3. 避難に必要な備品の点検をする

 

3〜5歳児クラスの子どもの誘導はもちろん、0〜2歳児をどのように避難させるのか、人員配置はどうするかなど、園児はもちろん保育士・職員が避難の方法を再確認することが大きな目的です。

真剣に、ときに楽しい防災訓練のあれこれ

訓練は、子どもの防災意識を育てながら保育士や他の職員たちはさまざまなパターンで行い、園内外でのコミュニケーションにも力を注いでいます。

具体的な訓練内容を紹介します。

職員にも事前告知なし。突然の「給食室で火災が発生しました!」

防災訓練の年間計画では、災害の種別のほか、事前告知があるものとないもので計画します。事前告知がない場合は、一部の職員以外は日程さえも知らされません。日々の日課にある「お散歩」の準備をしていたら避難訓練がスタート!ということも。

実際の災害も突然起こります。日頃のシミュレーションや訓練から、適切な避難ルート、人員体制、非常用設備の活用などをその場で判断できるようにしておくことが大切なのです。

さらしおんぶの練習も! 0~1歳の避難は大人の連携が重要

0~1歳児クラスの場合、自力での避難が難しいため、保育士たちの連携が特に重要です。月齢によってねんねやよちよち歩きのため、クラス担任だけでは安全に連れて行ける人数に限りがあります。そのため別のクラスの保育士におんぶをお願いしたり、普段は散歩に使っている避難車を利用したり、複合施設の場合には別施設の人に協力依頼をしておいたりと、無事に避難をするために周囲と連携します。

おんぶが必要になったときのために、さらし布を使っておんぶをする練習をすることもあります。

遊びの中で避難練習 「先生のところに、あつまれー!」

毎月の防災訓練だけでなく、日々の活動にも園児の避難練習につながる遊びを取り入れています。

例えば、保育士のところに素早く集合することも避難に向けた練習になります。真剣になることだけが防災訓練ではありません。遊びを通して子どもが動きやすいように準備することは、保育園ならではかもしれません。

保育士が変装! 不審者訓練で対応スキルを磨く

保育園の場合、不審者が保育園に侵入するという人的災害も起こり得ます。そこで、職員が帽子にサングラス、マスクをつけて「怪しい人」を演じることもあります。他の職員は、玄関先や教室のドアで「怪しい人」を子どもたちに近づけないように、かつ刺激しないよう対処しながら警察に通報する訓練をします。最後には警察役の職員が不審者を捕まえて訓練完了です。どのようにして不審者を入り口で止めるのか、落ち着いて対処できるか、マニュアルも踏まえながら対応スキルを高めます。

ビルの消火訓練に参加!子どもたち大注目の消火器訓練

複合施設の中に保育園が入っていることも増えてきました。立地によっては、他の施設の人と協力をする機会もあるので、ビルの防災訓練などにも参加します。大規模な消火訓練では保育士が消火器を扱うのを園児たちが見学し、「おおー!」と歓声があがることもあります。

津波、土砂災害など地域に合わせた訓練内容

保育園の立地によって、防災訓練の内容も変化します。どのような災害が地元で過去に起こっているのか、ハザードマップはどのようになっているのかなどを確認し、地域に合わせた訓練を実施することもあります。

絵本やお話で子どもと訓練内容の振り返り

防災訓練の前後には、園児と一緒に防災に関する絵本を読んだり、訓練の振り返りをしたりする時間を持ちます。小さいクラスの園児にも、防災訓練の内容をわかりやすく教えます。防災訓練をきっかけにして、少しずつ子どもたちの中にも防災の意識が芽生えるように促します。

保護者との連携として引き取り訓練のある園も

災害時には、子どもたちを保護者に引き渡すところまでが保育園の役割です。そのため保護者とどのように連携するかも、重要です。

 

園によっては、家庭に協力をお願いして引き取り訓練を実施したり、有事を想定して一斉連絡(メール、伝言ダイヤルなど)の訓練を行ったりすることもあります。

保護者にお願いして園児の避難靴を適正なサイズにしておくことも、大切な備えです。お子さんを保育園に預けている場合は入園のしおりなどで一時避難先等を確認しておくと良いです。

おうちでできる「防災訓練遊び」3つ

保育園で遊びに取り入れている防災訓練遊びのうち、家庭でも楽しくできそうなものを3つ紹介します。

1. 誰が一番早いかな? 頭を守るダンゴムシポーズ

地震の際にはテーブルの下へといわれますが、実際には身を隠す場所がなかったり頭を守るものがなかったりすることも多いですよね。そういうときに良いのが「ダンゴムシポーズ」です。この遊びでは、頭を手で隠しながら体を小さく丸め、ダンゴムシのポーズを取ります。「1、2の3で、ダンゴムシ!!」と声をかけて、誰が一番早くダンゴムシポーズをとれるか競争します。ゲーム形式にして家族みんなでやれば、盛り上がります。

2. バラバラになると危ないときにロープの中に飛び込むゲーム

屋外で災害にあったときは特に、家族が一緒に安全を確保することが大切です。普段から「ママのところに集まれー!」とかけ声をかけたり、ロープなどで範囲を区切って「この中に入って!」と声をかけたりして、一か所に集まる練習を遊び感覚で行っておきましょう。縄跳び遊びをするときに、縄を丸くして地面において、みんなで飛び込む遊びをするのも集まる練習になります。

3. 走り回ると危険なときに。忍者に変身、抜き足差し足忍び足

「おさない・かけない・しゃべらない・もどらない・ちかづかない」の頭文字を取った「お・か・し・も・ち」という防災ワードがあります。未就学の子どもに災害時の混乱の中で「走らない」を守らせるのは難しいこともあります。そんなときのために「忍者遊び」がおすすめです。忍び足の忍者の真似をして、周りに注意してゆっくり歩く遊びをすることで、災害時に走らない練習になります。

まとめ

保育園にとって防災訓練は義務付けられたものであると同時に、子どもたちの命を守るために欠かせない行事です。日々成長する園児に合わせて毎月定期的に万が一に備えています。防災のためには保護者との連携がとても大切です。家庭でも園でも、いざというときにすぐ動けるよう、防災に対する意識を高めておきたいものです。

<執筆者プロフィル>

相原里紗(あいはらりさ)

保育士・のあそびっこプロジェクト 主宰

早稲田大学国際教養学部卒。(株)オールアバウトを経て国家試験で保育士に。親子×のあそび×地域を軸とした「のあそびっこプロジェクト」他、親子向けイベントを多数企画・運営している。1歳、3歳の男子育児に奮闘中。

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