乳幼児のいる家庭の参考に!保育園の防災訓練でやってること

職員にも事前告知なし。突然の「給食室で火災が発生しました!」

防災訓練の年間計画では、災害の種別のほか、事前告知があるものとないもので計画します。事前告知がない場合は、一部の職員以外は日程さえも知らされません。日々の日課にある「お散歩」の準備をしていたら避難訓練がスタート!ということも。

実際の災害も突然起こります。日頃のシミュレーションや訓練から、適切な避難ルート、人員体制、非常用設備の活用などをその場で判断できるようにしておくことが大切なのです。

さらしおんぶの練習も! 0~1歳の避難は大人の連携が重要

0~1歳児クラスの場合、自力での避難が難しいため、保育士たちの連携が特に重要です。月齢によってねんねやよちよち歩きのため、クラス担任だけでは安全に連れて行ける人数に限りがあります。そのため別のクラスの保育士におんぶをお願いしたり、普段は散歩に使っている避難車を利用したり、複合施設の場合には別施設の人に協力依頼をしておいたりと、無事に避難をするために周囲と連携します。

おんぶが必要になったときのために、さらし布を使っておんぶをする練習をすることもあります。

遊びの中で避難練習 「先生のところに、あつまれー!」

毎月の防災訓練だけでなく、日々の活動にも園児の避難練習につながる遊びを取り入れています。

例えば、保育士のところに素早く集合することも避難に向けた練習になります。真剣になることだけが防災訓練ではありません。遊びを通して子どもが動きやすいように準備することは、保育園ならではかもしれません。

保育士が変装! 不審者訓練で対応スキルを磨く

保育園の場合、不審者が保育園に侵入するという人的災害も起こり得ます。そこで、職員が帽子にサングラス、マスクをつけて「怪しい人」を演じることもあります。他の職員は、玄関先や教室のドアで「怪しい人」を子どもたちに近づけないように、かつ刺激しないよう対処しながら警察に通報する訓練をします。最後には警察役の職員が不審者を捕まえて訓練完了です。どのようにして不審者を入り口で止めるのか、落ち着いて対処できるか、マニュアルも踏まえながら対応スキルを高めます。

ビルの消火訓練に参加!子どもたち大注目の消火器訓練

複合施設の中に保育園が入っていることも増えてきました。立地によっては、他の施設の人と協力をする機会もあるので、ビルの防災訓練などにも参加します。大規模な消火訓練では保育士が消火器を扱うのを園児たちが見学し、「おおー!」と歓声があがることもあります。

津波、土砂災害など地域に合わせた訓練内容

保育園の立地によって、防災訓練の内容も変化します。どのような災害が地元で過去に起こっているのか、ハザードマップはどのようになっているのかなどを確認し、地域に合わせた訓練を実施することもあります。

絵本やお話で子どもと訓練内容の振り返り

防災訓練の前後には、園児と一緒に防災に関する絵本を読んだり、訓練の振り返りをしたりする時間を持ちます。小さいクラスの園児にも、防災訓練の内容をわかりやすく教えます。防災訓練をきっかけにして、少しずつ子どもたちの中にも防災の意識が芽生えるように促します。

保護者との連携として引き取り訓練のある園も

災害時には、子どもたちを保護者に引き渡すところまでが保育園の役割です。そのため保護者とどのように連携するかも、重要です。

 

園によっては、家庭に協力をお願いして引き取り訓練を実施したり、有事を想定して一斉連絡(メール、伝言ダイヤルなど)の訓練を行ったりすることもあります。

保護者にお願いして園児の避難靴を適正なサイズにしておくことも、大切な備えです。お子さんを保育園に預けている場合は入園のしおりなどで一時避難先等を確認しておくと良いです。

おうちでできる「防災訓練遊び」3つ

保育園で遊びに取り入れている防災訓練遊びのうち、家庭でも楽しくできそうなものを3つ紹介します。

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