大雪災害に備えよう!事前の気象情報活用で対策を万全に

冬になると、大雪への備えにも気を配る必要があります。毎年のように大雪が降るエリアはもちろん、雪が少ないエリアでも人ごとではありません。冬季に旅行やビジネスで大雪が降るエリアを訪ねる場合も要注意です。今回は、大雪で起こる災害やその対策方法、大雪災害に備えるために役立つ気象情報を紹介します。大雪災害に巻き込まれないためにも、正しい知識を身につけましょう。

大雪で起こる災害とその対策方法

ここでは、大雪災害を「歩行中の事故」「除雪中の事故」「車による雪道の事故」「雪崩による事故」の4つのケースに分けて、雪害の特徴や対策方法について紹介します。

case 1.歩行中の事故

少ない降雪量でも転倒事故が起こる可能性があります。特に、降り始めの時期や雪道に慣れていない場合は歩行中の事故に注意が必要です。

 

注意すべき場所は以下の通りです。

 

【雪が踏み固められて滑りやすくなっている場所】

・車の出入りがある歩道

・バスやタクシーの乗り場

 

【凍結しているかわかりにくい場所】

・横断歩道の白線の上

 

このような場所は滑りやすくなっています。そのような場所をよけて歩くか、避けられない場合は十分に注意して歩くようにしましょう。

 

<対策>

雪が積もったり氷が張ったりしている道では、靴の裏全体が路面にぴったり付くように意識して歩きます。そして体の重心をやや前に置きましょう。靴は滑りにくいゴム底が望ましいですが、ビジネスシューズなどで出勤しなければならない場合は靴底にすべり止めパッドを貼ることをおすすめします。

 

【おすすめの靴用すべり止め】

・[河井商店 スタッドレスバンド]

http://www.footcare-goods.com/449/studlessband.html

 

・[荒川産業 スノーグリッパーforブーツ&パンプス 女性用]

https://www.monotaro.com/g/04191573/?t.q=%90%E1%8A%8A%82%E8%8E%7E%82%DF%8CC%97p

 

帽子や手袋などを着用するのも転んだときのケガを防ぐための安全対策になります。

case 2.除雪中の事故

除雪も事故が起こりやすい作業です。特に、屋根の雪下ろしの時、事故が多く発生しています。除雪をする時には、特に以下の2つに注意が必要です。

 

・屋根からの転落

・屋根からの落雪

 

<対策>

除雪作業は必ず2人以上で行います。落ちてしまった際のケガのリスクを抑えるために、建物のまわりに雪を残した状態で、屋根の雪下ろしをしましょう。命綱やヘルメットを着用し、事故が起こったときにすぐに連絡できるように携帯電話を持っておきましょう。

 

降雪が落ち着いてから除雪作業を行う場合が多いですが、雪が止んで晴れると屋根の雪がゆるんで滑りやすい場合があるので、油断しないようにしてください。

case 3.車による雪道の事故

大雪が降っているときや止んだ後は、路面の凍結や吹雪による車の事故が起こりやすくなります。

特に、以下のような路面は車が滑りやすくなっているので注意が必要です。

 

・降雪の深さが1cm以上ある路面

・凍結した路面(アイスバーン)

・冷えやすく凍結しやすい橋げた

・日陰になりやすく凍結していることが多いトンネルの出入り口

 

<対策>

雪道の運転では、以下のポイントに注意しましょう。

 

・急なハンドル操作やブレーキをしない

・減速はロックされにくいエンジンブレーキを使ってゆっくり行う

・吹雪で視界が悪い場合は、ヘッドライトをつけてスピードを控え、車間距離をとる

 

アクシデントが発生しても対応できるように、タイヤチェーンやジャッキ、けん引用ロープ、ブースターケーブルなどを車内に装備しておきましょう。

また、事故や避難中に車が雪に埋もれてしまう場合もあるので、緊急脱出用のハンマーも備えておくと安心です。

case 4.雪崩による事故

雪崩とは、斜面にある雪や氷が目で見てもわかるスピードで流れ落ちる現象です。山のレジャーや山道の走行時は、雪崩被害にも十分に注意する必要があります。

雪崩が発生しやすい条件は次の通りです。

 

・気温が低く、積雪があるところに短時間で多量の雪が降ったとき

・急に気温が上がって融雪が進んだとき

・30度以上の急斜面で雪の吹きだまりがある場所

・過去に雪崩が発生した場所

・山の斜面に積雪の亀裂が見える場所

 

<対策>

雪崩が起こりやすい場所はハザードマップをチェックするとわかります。

 

国土交通省「重ねるハザードマップ」URL:

https://disaportal.gsi.go.jp/maps/index.html?ll=36.139538,137.150574&z=10&base=pale&ls=dosha_kiken_nadare%2C0.8&disp=1&vs=c1j0l0u0

 

雪崩の危険箇所を「重ねるハザードマップ」で表示する方法は次の通りです。

 

  • 「すべての情報から選択」をクリック
  • 「災害リスク情報」を開く
  • 「土砂災害危険箇所」を開く
  • 「雪崩危険箇所」を選択

 

黄色で表示される部分が雪崩の危険箇所です。

 

大雪が降っているときや大雪が予想されているとき、「なだれ注意報」が発令されているときは危険箇所に近づかないようにしましょう。

大雪災害に備えるために役立つ気象情報と活用方法

大雪に関する気象情報を活用することで事前に大雪災害への備えができます。ここでは、大雪災害に備えるために役立つ気象情報や活用方法を紹介します。

大雪に関する注意報・警報

まずは、雪に関する注意報・警報の違いや発表基準を理解しておきましょう。

 

・大雪注意報

降雪や積雪によって家屋の被害や交通障害などが発生する恐れがあるときに発表されます。

 

・大雪警報

降雪や積雪による家屋の被害や交通障害など、大雪によって重大な災害が発生する恐れがあるときに発表されます。

 

・風雪注意報

雪を伴う強風によって災害が発生する恐れがあるとき、または強風と雪で視界不良が予想されるときに発表されます。「大雪と強風」ではなく、大雪のみによる被害が予想されるときは「大雪注意報・警報」が発表されます。

 

・暴風雪警報

雪を伴う暴風によって重大な災害が発生する恐れがあるとき、または暴風と雪による視界不良で重大な災害が発生する恐れがあるときに発表されます。「大雪と暴風」ではなく、大雪による被害が予想されるときには「大雪注意報・警報」が発表されます。

 

・着雪注意報

着雪によって電線の断線や送電線鉄塔の倒壊などの災害が発生する恐れがあるときに発表されます。

 

・なだれ注意報

雪崩による災害が発生する恐れがあるときに発表されます。

 

・融雪注意報

融雪によって土砂災害や浸水害が発生する恐れがあるときに発表されます。融雪によって雪崩の危険性がある場合は「なだれ注意報」も併せて発表されます。

 

着雪注意報、なだれ注意報、融雪注意報については該当する警報がないので、注意報が発表された時点で災害に対して十分な注意が必要です。

解析積雪深・解析降雪量

解析積雪深・解析降雪量は、5km四方のエリアごとの積雪の深さ・降雪量の実況を1時間ごとに推定するものです。アメダスがないエリアの積雪や降雪の状況を把握することができます。

 

気象庁「現在の雪(解析積雪深・解析降雪量)」URL:

https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/snow/jp/#zoom:5/lat:34.379713/lon:138.603516/colordepth:normal/elements:snowf72h

 

冬季にどこかに行く予定がある場合、この情報を活用すれば、雪が多いエリアを避け、災害を回避できます。

 

また、先ほどご紹介したハザードマップと降雪情報を照らし合わせて、雪崩の危険区域で積雪が増えているところには近寄らないようにしましょう。

3日先までの降雪量予測

数日間降雪が続くことが予想され、降雪量が予想できるときは、気象庁のホームページ(全般気象情報)に「48時間先からの24時間降雪予想量」が記載されます。

 

気象庁「全般気象情報」URL:

https://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/

 

その他、大雪が予想される場合も降雪や積雪の予測量が記載されます。

 

降雪量予測によって大雪の可能性が把握できるので、3日以内に大雪が予想されている場合は早めに用事を済ませておき、事前に大雪対策も行いましょう。

どこに住んでいても大雪災害に備えておきましょう

大雪による災害は、気象情報の活用やハザードマップ、事前の対策で防ぐことができます。

雪に慣れていない地域だと、少量の雪でも公共交通機関に影響し、大きな災害につながる場合があります。「自分の住んでいる地域は雪が少ないから大丈夫」と過信せず、大雪が予想されているときは早めの対策を心がけてください。

 

大雪による災害リスクを覚えておいて、いざとなったら気象情報を活用し、大雪災害に備えましょう。

 

<執筆者プロフィル>

田頭孝志(たがしらたかし)

防災アドバイザー/気象予報士

田頭気象予報士事務所

愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数 ・防災マニュアルの作成に参画。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

公式SNS