停電!懐中電灯を探す以外ですべきこと・できること


画像:PIXTA

突然、自宅で停電が起きたらどうしますか?

これほど電力頼りの生活をしている環境ですから、停電は一大事です。対処手順をすらすら挙げることができない方向けにこの特集を企画しました。復旧に時間がかかると生活に支障が出ますし、適切な行動を取らないと、火災や一酸化炭素中毒により命の危機に直面する恐れもあります。この記事では災害で停電が起きる仕組みと、起きたときのポイントを紹介します。

停電が予想される気象条件

まず停電が起こりやすい気象条件について説明します。

暴風・落雷・大雪などがあり、気象現象ごとに停電が起こるメカニズムは異なります。

 

・暴風

暴風で飛ばされたトタンなどによって電線が損傷する

・落雷

雷が電線に落ちて、電線・変圧器などの電気設備が故障する

・大雪

電線に多くの雪が付着して、その重みに耐えられずに電線が切断する

 

以上のように、台風や強い低気圧によって暴風・落雷・大雪などが予想されている場合はどれも停電が発生する恐れがあります。一方、火災や地震、電線事故などによる停電は予想できません。そのため停電で慌てないために日ごろから備えることが大切です。

停電で想定される被害

停電が発生すると、以下のような被害が想定されます。

 

・公共交通機関が使えなくなる

・非常用発電システムがないガソリンスタンドやATMが止まる

・マンション等でエレベーターが使えなくなる

・夏期に冷房機器が使えず、熱中症のリスクが高まる

・冬期に暖房機器を使えない

・パソコンやスマホなどの充電式の機器類は、充電がなくなると使えなくなる

・防犯システムやガス漏れシステムが作動しなくなる

・人工呼吸器などの医療機器が使えなくなる

・冷蔵庫や冷凍庫が使えず、食品が傷みやすい

・照明や電気を使う調理機器、洗濯機などの家電製品が使えなくなる

・トイレの電源が入らず、水が流せない

・テレビを始め情報機器、通信機器が使えなくなる

 

このように、生活全般でさまざまな支障が出てきます。私たちの普段の生活がいかに電気に依存して成り立っているのかわかりますね。

停電時に注意すること

停電は生活を不便にするだけでなく、火災や一酸化炭素中毒によって命を落とす危険性もあります。ここでは停電時の注意点を紹介します。

通電火災

停電時に注意しなければならないのが、「通電火災」です。

通電火災は、停電後に復旧して、再び電気が使えるようになる(通電する)ときに、電気機器や電気配線から火災が起こる現象です。水にぬれた電気機器や電気配線に電気が通ってショートすることなどが原因となり発生します。台風や低気圧にともなう停電では、風雨や浸水によって電気機器や電気配線がぬれることがあり通電火災が発生しやすくなります。

通電火災を防ぐために、以下のことを行ってください。

 

・停電中はブレーカーを落とす

・停電中はすべての電気機器のスイッチを切って、電源プラグを抜く

・通電した際は電気機器が故障していないか確認する

・電気機器の周りに燃えやすいものを置かない

一酸化炭素中毒

近年は、停電時に備えて自家発電機を購入する家庭も増えていますが、それにともない停電発生時に自家発電機によって一酸化炭素中毒が生じるケースが増えています。

自家発電機はガソリンやガスなどを燃料にするタイプが多いためです。いずれも運転中の排気に一酸化炭素が多く含まれ、室内で使用すると一酸化炭素中毒になる恐れがあります。

発電機を室内で使用するのは危険です。発電機は風通しがいい屋外で使用しましょう。

停電対策として準備しておきたいもの

停電の発生後、1~2日以内で復旧する場合がほとんどです。しかし2019年の台風15号が千葉県内にもたらしたように、停電の規模が大きくなると、長期的に電気が使えない可能性もあります。

ここでは、停電が長期になることも想定して準備しておきたいものを紹介します。

モバイルバッテリーや発電機を用意しておく

だれでも必要とするものとしては、スマホ用のモバイルバッテリーです。

災害時はスマホを使った情報収集が欠かせません。安否確認や情報収集をしているとすぐに消耗するので、必ずモバイルバッテリーを用意しておきましょう。

 

また自家発電機があると、照明や小型冷蔵庫、トイレなどの電源として使用できます。上述したとおり一酸化炭素中毒になる恐れがあるため、自家発電機を使用する場合は屋外で稼働し、電気機器に使用する場合は延長コードを屋内まで延ばしましょう。

 

自家発電機にはさまざまな種類があるので、予算や使いやすさで選ぶとよいです。

例えば私はアウトドアでカセットコンロを使う機会が多くカセットボンベをたくさん買っているため、カセットボンベで電気をつくれるHONDAのEU9iGB(エネポ)を持っています。

またガソリンで発電ができるヤマハのEF23H、カセットボンベ・ガソリンのどちらでも発電ができるニチネンのYKG-1000など、ガソリンで電気が作れる発電機も使いやすいです。自分にあった発電機を選びましょう。

 

参考:

HONDA「EU9iGB(エネポ)」

121,000円(税込み)

https://www.honda.co.jp/generator/lineup/eu9igb/

ヤマハ「EF23H」

180,400円(税込み)

https://www.yamaha-motor.co.jp/generator/lineup/standard/ef23h/

ニチネン「ドリームパワーインバーター発電機 YKG-1000」

146,076円(税込み)

https://www.askul.co.jp/p/E334146/

※金額は2020年11月11日執筆時点

車のガソリンを満タンにしておく

災害発生に伴う停電時は、自動車が役に立ちます。

車内のエアコンで暑さや寒さをしのぐことができますし、ラジオをかけて情報収集することもできます。

また、シガーソケットに変換アダプターやインバーターを差し込めば、スマホやノートパソコンを充電することもできます。

 

ただし停電が発生すると、ガソリンスタンドが閉まる場合があります。

日ごろからガソリンが3分の2から半分まで減ったら満タンにする習慣を身につけておくと、停電が発生しても車を長く動かすことができます。

電池、懐中電灯を取り出しやすい場所に置いておく

停電すると夜間は真っ暗になるため、周囲の状況を把握することが難しくなります。

災害が発生している場合は夜中でも避難が必要になるため、懐中電灯をいつでも取り出せる場所に置いておきましょう。懐中電灯に必要な電池は多めに用意しておくと安心です。

懐中電灯には、ランタンタイプ、小型タイプ、ネックタイプなど、さまざまな種類があります。自宅にいるときはランタンタイプ、移動するときは小型タイプが便利です。

 

災害時は大きな荷物を運んだり、子どもやお年寄りの手を引いて歩いたりすることもあります。そんなときのために、両手が自由に使えるネックタイプ(首かけ)の懐中電灯があると役立ちます。

長期の停電や事故も想定した防災対策を

災害時の停電は復旧時期の予測ができません。長期間にわたって停電が続くことも想定して、停電に備えておく必要があります。

また、停電による通電火災や発電機使用による一酸化炭素中毒など、停電がきっかけで命に関わる事故が発生する恐れもあるので十分に注意しましょう。

<執筆者プロフィル>

田頭 孝志(たがしら たかし)

防災アドバイザー/気象予報士

田頭気象予報士事務所

愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数 ・防災マニュアルの作成に参画。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS