被災経験から学ぶ 2020年熊本水害に見舞われて…

被災経験には多くのことがらが詰まっています。2020年7月の熊本水害で被災したFさんに、避難までの様子や被災して大変だったことなどを詳しく伺い、防災の専門家に解説してもらいながらまとめました。

避難を開始するまで

――Fさん(70歳)に水害に見舞われた当日朝の様子を尋ねました。自宅は熊本水害で氾濫した球磨川のすぐ近くにあり、妻と95歳になる母親の3人で暮らしています。

アラートが鳴っても気にしなかった

2020年7月4日の明け方4時頃から、テレビやスマートフォンから大雨に関するアラートが流れていました。ただ、そういったアラートの情報は画一的で現実味がない感じがしました。高齢の母もいますので、その時点では避難しようとは思いませんでした。

 

【防災専門家コメント(=以下専門家)】熊本豪雨では前日の7月3日夜には大雨警報が発令されていました。警報が出た時点で「避難情報、雨雲レーダー、避難場所、土砂災害・浸水の危険度分布」などの情報をこまめにチェックしましょう。あらかじめ自治体のハザードマップを確認して、住んでいる場所の災害リスクを把握しておくことも大切です。

増水から浸水まではわずか数十分

朝6時頃、窓から外を眺めると球磨川がいつもより増水しているのが見えて。そしてほんの数十分ほどで、あっという間に家の裏手まで水がきていました。母も「95年間人吉で暮らしてきて、こんなことは初めて」と言う状況でした。

89歳になる叔母が川の近くで一人住まいをしていたので、これは危ないと思い、迎えに行きました。

 

それまで避難を迷っていましたが、防災無線で「8時半ごろにダムの放流をするかもしれない」と通知が流れたこと、市長が「逃げてください!」と自ら叫んだことで、これはいよいよ避難しなければと感じました。

【専門家】高齢者がいる場合、「高齢者等避難」が出された時点で、空振りを恐れずに避難するのが最適です。

避難所を避け高台の家に避難

――避難を決めてから、具体的にどう行動したのかを尋ねました。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS