非常食を食べてみよう
防災のための備蓄といえば?真っ先に思いつくのは非常食かもしれません。近ごろの非常食はかなりバラエティー豊か。災害時に食べるものだからこそ、できればおいしくて、ホッとできるものがいいですよね。加えて調理のしやすさも気になるところです。そこで、今回は非常食の実食リポートです!東京都内の量販店で10種類を購入し、味や食べやすさをチェックしました(水かお湯を選べるものは、あえて水で挑戦してみました)。
主食となる非常食
まずは、災害時の大切なエネルギー源となる、ご飯やパンなどの主食からです。
尾西の白飯(尾西食品)
【保存期間】
5年
【食べるには】
水で作る場合は160mlを注いで60分待つだけ。お湯で作る場合は水と同じ分量の160mlを注いで15分待つと完成します。
水かお湯を注ぐ前に、中のスプーンと脱酸素剤(埋もれているので注意!)を必ず取り出します。
注水線を確認しましょう!
水を注水線まで注ぎ、60分(お湯なら15分)待ちます。
60分後…ご飯が、ご飯が入っています!
見た目は炊飯器で炊いた普通のご飯と変わりません。
【味】
想像していた以上に炊飯器で炊いたご飯に近い味です…!ところどころ芯が残っているような部分はありますが許容範囲でしょう。気になるようであればふりかけをかけたり、お茶漬けのようにして食べたりするのもいいかもしれません。
【購入価格】1個302円(税込み)
フリーズドライご飯【カレー味】(永谷園)
【保存期間】
5年6か月
【食べるには】
水を注いで5分、またはお湯を注いで3分(水を入れずに、そのままスナック感覚でも食べることができます!)。水の量は、255mlで軟らかめ、175mlでふつうの食感とのこと。
袋を開封すると、スプーンと脱酸素剤が入っていますので取り出します。
注水線が見えるまで中身を寄せ、袋が立つように整えます。災害時には計量カップが使えないことが予想されるので、注水線が食感の目安になるのは便利ですね!
水(またはお湯)を注ぎます。
注ぎ終えたら封をして5分(お湯の場合は3分)待ちます。
完成です!
【味】
食感は…普通の米とは少し違いますが、軟らかく食べやすいです。いためたタマネギでしょうか、カリカリの食感がアクセントになっています。濃すぎない適度なカレー味ではあるものの、食べ飽きることもありそうです。2人で分けるといいかもしれません。
【購入価格】1個518円(税込み)
えっ!?にぎらずにできる携帯おにぎり【鮭(さけ)】(尾西食品)
【保存期間】
5年
【食べるには】
水かお湯67mlを注いで20回振り混ぜて、待つ(水の場合は60分、お湯の場合は15分)。
開封し、中の脱酸素剤を取り出します。
表のシールをはがすと、注水線が見えます。
注水線にあわせて水を注ぎましょう。水の場合は60分、お湯の場合は15分待ちます。
60分後、線に沿って袋をカットすると、食べやすいおにぎり形に!そのまま食べられる仕組みは災害時に役に立ちそうですね。
【味】
思わず「えっ!」と声が出てしまうほど、コンビニのおにぎりと同じくらいのクオリティーです!水で戻したとは思えません。鮭フレークの食感や、ほどよい塩味もおいしさのポイントかもしれません。
【購入価格】1個216円(税込み)
缶deボローニャプレーン(ボローニャ)
【保存期間】
3年(※記事執筆時点)
【食べるには】
缶を開けるだけ
缶を開けると……ん?これは?
逆さまにパンが入っていました。
1缶にパンが2つ入っています!
【味】
開けた瞬間とてもいい香りがしました。味は、「すごくおいしいパン屋さんのデニッシュパンを、ラップして3日おいた状態」…といった印象です。常温のため焼きたてではありませんが、「焼いてから日がたったけど、元のおいしさを隠しきれないパン」という感じ。かみごたえがあるので1つでも満足感がありました。
【購入価格】1缶454円(税込み)
おかずになる非常食
続いて、肉や魚など、たんぱく質を多く含んだ非常食のおかずを食べてみましょう。
吉野家缶飯牛丼(吉野家)
【保存期間】
3年
【食べるには】
缶を開けるだけ
缶を開けると…
牛丼がそのまま入っています!ご飯は具の下に入っているんですね!
【味】
味は…よく知っている「吉野家の牛丼」ではない、です!
ご飯にプチプチッとした食感があったり(おそらく玄米)、牛肉というよりコンビーフのような味がしたりなど、食べなれた牛丼とは異なる点もありますが、とてもおいしく食べました。「牛丼ではない別のもの」として味わえる缶詰です!
【購入価格】1缶756円 (税込み)
こてんぐ おでん缶(天狗缶詰)
【保存期間】
5年6か月
【食べるには】
缶を開けるだけ
缶のフタはちょっと固めなので、開けるときにこぼさないように注意しましょう。
【味】
缶詰の中にはこんなに具が詰まっています!予想していたよりも種類が多いのはうれしい驚きです。
缶の中でだしにしっかり漬かっていたからか、とっても味が染みています。特にうずらのたまごは味玉レベルに濃厚。大根はほろほろ!牛すじも入っているので、かなりぜいたくな気持ちになりました。温めるとおいしさが増すようですが、常温のままでも十分おいしく食べることができました。
【購入価格】1個378円 (税込み)
レスキューフーズ一食ボックス 和風ハンバーグライス(ホリカフーズ)
【保存期間】
3年6か月
【食べるには】
箱を開封。中にはいろいろ入っています。
まずは発熱剤を付属のジッパー袋に入れます。
その上にご飯とハンバーグのパックを入れて、外箱に戻します。
そしてジッパー袋の中に発熱溶液を注ぎ入れ、ジッパー袋を閉じると…
ショワーーーー!という音とともに袋の中がぶくぶくし始めました。かなり熱い蒸気が出てきます!箱全体も熱くなるので注意しましょう。
20分ぶくぶくさせた後に10分蒸らし、やけどに注意しながら取り出すと…
完成です!かなりボリュームがあります。
【味】
ハンバーグは一口サイズが3つ入っています。
口に入れると十分に熱々になっていました。非常時に、温かいご飯が食べられるだけでもホッとできるのではないでしょうか。ご飯は非常食とは思えないほどふっくら。ハンバーグは鶏肉なのであっさりとしており、あんは中華のような味わいです。
【購入価格】1個1,101円 (税込み)
お菓子・スイーツの非常食
最後に、災害時に心を落ち着けてくれる甘いお菓子などの嗜好(しこう)品を紹介します。
えいようかん(井村屋)
【保存期間】
5年
一箱5本入りです!
【味】
味はとっても濃厚で、ようかんとしてのクオリティーが高い!さすがあずきバーの会社、井村屋です。お皿にのせて抹茶と一緒に出されたら、普段でも十分幸せな気持ちになれそうな高級感のある味でした。しかもカロリー補給をうたった商品ですので、災害時に栄養補給もできるというのがうれしいですね。
【購入価格】1箱594円(税込み)
IZAMESHI あんこ餅(杉田エース)
【保存期間】
3年
【食べるには】
セット内容はこちら。お餅を戻すための「戻し水」も入っているので安心です。
あんこのもとを袋から片方のスペースに入れます。
もう片方のスペースに、戻し水の半分の量(40㏄)を入れます(袋からちょっとこぼしてしまいました)。そこにフリーズドライのお餅を3枚浸しましょう(重ねるとお餅がくっついてしまうので、重ならないように3枚までです)。
あんこのもとにも水を5㏄入れます。ただし5㏄の目安がないので、量の調整が難しい…。私が入れた水の量は多すぎたのか、あんこは軟らかめになってしまいました。
お餅を水に1分間つけたら…
あんこにつけて食べましょう!うにょーん、と結構伸びます。
【味】
あんこの甘さはちょうどよい感じです。多少水を入れすぎてしまっても薄すぎることはありませんでした。お餅の方は芯が残っているものもありました。それでも全体的に見れば、災害時に食べたらホッと一息つけそうな優しい食感と味です!
【購入価格】1個 411円(税込み)
防災用プラボトルドロップス(サクマ製菓)
【保存期間】
5年
【味】
中身はあのサクマドロップスです!パッケージもコンパクトでかわいい。災害用伝言ダイヤルの使い方なども書かれていて、実用的です。
カラフルでレトロな見た目は、それだけで心を癒やしてくれそう。昔懐かしい味をゆっくり味わうことは、災害時の小さな楽しみとなってくれるのではないでしょうか。
【購入価格】1個486円(税込み)
まとめ
非常食は3日~1週間分を備蓄しておく必要があります。さらに主食、おかず、お菓子などをバランスよく用意しておくことも大切。電気やガスは使えない場合がありますので、加熱しなくても食べられるものも必ず用意しておきましょう。非常時だからこそ、おいしい食べ物が希望の光となってくれることがあります。好みの味のものを十分な数備蓄しておくことで、いざというときに乗り切ることができるはず。今回の記事がその参考になれば幸いです。
注)【購入価格】は実際の購入価格を記載しています
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