裏山がある人必見!土砂災害への備えはこれ


画像:PIXTA

日本では、頻繁に起きる土砂災害によって多くの命が奪われています。命を失うことを免れても、家や家財道具などが被害を受けることもあります。

土砂災害に見舞われるリスクを減らすためにはその原因や前兆、身を守るための情報や行動を正しく理解する必要があります。土砂災害について詳しく知り、自分や大切な人の身の安全を確保しましょう。

土砂災害が起こる原因

土砂災害とは、土砂の移動によって被害を受ける災害です。

 

土砂が移動する要因として、

・大雨が降り、水分を含んだ重みを持った土砂が滑り落ちる

・地震によって天然ダムの決壊や山体崩壊が起こって土砂が滑り落ちる

・噴火によって溶岩流、山体崩壊が起こって土砂が滑り落ちる

などがあります。

 

土砂災害は起伏が激しい土地で起こりやすい特徴があります。国土の約7割を山地や丘陵地が占める日本では、年間に1,000件以上の土砂災害が発生しています。

 

地震や火山による土砂災害は予測が難しいですが、大雨による土砂災害は気象情報を活用することで注意を払い、警戒することはできます。

土砂災害の前兆

土砂災害には、がけ崩れ・土石流・地滑りがあります。土砂災害は前兆を伴う場合が多く、前兆が見られる場合は早めの避難が必要です。

 

それぞれの土砂災害の特徴・前兆は次の通りです。

がけ崩れ

がけ崩れは、地面にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱め、雨や地震によって斜面が崩れ落ちる現象です。

次のような前兆があります。

・がけにひび割れができる

・小石がパラパラと落ちる

・がけから水が湧き出る

・湧水が止まる、濁る

・地鳴りがする

土石流

土石流は、山腹・川底の石や土砂が長雨や集中豪雨によって下流に押し流される現象で、次のような前兆があります。

・山鳴りがする

・腐った土のにおいがする

・川の水位が下がる

・川の水が濁って流木が混ざる

・木が裂ける音や石がぶつかる音が聞こえる

地滑り

地滑りとは、斜面の一部もしくは全部が長雨や集中豪雨によって地層に沿ってゆっくりと移動する現象です。

次のような前兆があります。

・がけや斜面から水が湧き出る

・地鳴り、山鳴りがする

・樹木が傾く

・落石や地表の小規模な崩壊が起こる

・地下水の枯渇や急増、濁りが発生する

 

その地域に住んでいる方は、土砂災害が発生する前に周辺の様子に違和感を覚える場合も多いようです。上記の前兆に限らず、「何かいつもと違う」と感じる場合は、早めに避難しましょう。

土砂災害から身を守るための情報

大雨による土砂災害から身を守るために、気象情報や土砂災害情報を活用しましょう。

 

土砂災害に関する情報として、

・大雨警報(土砂災害)

・土砂災害警戒情報

・土砂災害の危険度分布

などが挙げられます。

大雨警報(土砂災害)

大雨警報は大雨が降ったとき、もしくは予想される場合に出される警報です。

 

大雨警報には、

・大雨警報(浸水害)

・大雨警報(土砂災害)

の2種類があります。

このうち、大雨警報(土砂災害)は「土砂災害特別警戒区域」「土砂災害警戒区域」の地域を対象として、土石流やがけ崩れのおそれがあるときに警戒を呼びかけるものです。

 

大雨警報(土砂災害)は「警戒レベル3」に該当し、自治体から避難準備・高齢者等避難開始が発令されることもあります。

大雨警報(浸水害)は土砂災害が対象となっていないため、大雨警報が発令されているときは浸水・土砂災害のどちらが対象になっているか確認しましょう。

土砂災害警戒情報

土砂災害警戒情報は、大雨警報(土砂災害)が発表されている状況で、命の危険がある土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況になったときに発表される情報です。

 

市町村の避難勧告や住民の自主避難の判断基準の1つで、発令時は大雨警報よりもさらに土砂災害のリスクが高まっている状況です。

 

警戒レベル4に該当し自治体から避難勧告が発令されることもあります。避難勧告が発令されていなくても身の危険を感じる場合は自主的に避難しましょう。

土砂災害の危険度分布

土砂災害の危険度分布は、大雨による土砂災害の危険度を5段階に色分けして地図上に示す情報です。

 

気象庁「大雨警報(土砂災害)の危険度分布」
https://www.jma.go.jp/jp/doshamesh/index.html

 

10分ごとに更新され、どこで土砂災害の危険度が高まっているのかを把握できます。

危険度に応じて、以下のように色分けされています。

自分がいる地点が黄色(警戒レベル2相当)になったら、こまめに危険度分布をチェックします。もしも、赤色(警戒レベル3相当)になったら避難準備もしくは避難をし、紫色(警戒レベル4相当)になったら直ちに避難をしましょう。

 

雨の降り方が激しい場合は、数十分で黄色から紫色の警戒レベルになることもあるため、要注意です。

 

土砂災害の危険度分布をチェックする際は、雨雲レーダーも合わせて活用しましょう。雨雲レーダーで、自分がいる地点が長時間、赤色もしくは紫色(50mm/h以上の雨量)のようなら、活発な雨雲がかかり続けるということなので、土砂災害の危険度分布が黄色や赤色の警戒レベルでも、早めの避難をおすすめします。

 

気象庁「雨雲の動き(高解像度降水ナウキャスト)」

https://www.jma.go.jp/jp/highresorad/index.html

土砂災害から身を守るための行動

土砂は高いところから低いところに向かって勢いよく流れて、速度も速いため、土砂の流れを背にして逃げても追いつかれてしまいます。土砂災害に巻き込まれそうになった場合、土砂の流れる方向に対して直角に逃げるようにしましょう。

 

また、土砂災害の発生時に大雨で避難所に行くのが難しく自宅にとどまる場合は、2階以上で山の斜面の反対側に避難するようにしましょう。

このような避難方法を「垂直避難」と呼び、土砂災害だけでなく浸水が発生したときの避難方法でもあります。

自宅内で避難する場合は地鳴りなどの異常をいち早く察知するために、テレビなどの音量は最小限にしておきましょう。

知識と情報を活用し、土砂災害に備えましょう

大雨による土砂災害は気象情報と土砂災害情報を活用することで未然に防げる可能性が高まります。また、身を守るためには、土砂災害について正しい知識を身につけることも大切です。

 

ハザードマップなどで自分が住んでいる地域の土砂災害リスクを知り、大雨が予想される場合はこまめに気象情報を確認して早めに避難しましょう。

 

<執筆者プロフィル>

田頭 孝志(たがしら たかし)

防災アドバイザー/気象予報士

田頭気象予報士事務所

愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数 ・防災マニュアルの作成に参画。

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