冬季の災害 停電時の寒さ対策を万全に!


画像:PIXTA

冬に災害に遭った際には、寒さへの注意が必要になります。被災時に自宅や避難所など安全に過ごせる場所がある場合でも、停電が発生すると電気やガスなどのライフラインが長期にわたって使用できなくなり、防寒が必要になる可能性があります。冬は災害から身を守ることだけでなく、停電時の寒さ対策もしておかなければなりません。

真冬の停電で起こりうるリスク

真冬に停電が発生すると電気ストーブやファンヒーター、オイルヒーター、床暖房など電気で動く暖房器具が使用できなくなります。

 

停電が長引くと寒さとの闘いになります。寒さは体力を奪い、免疫力も低下させるため、風邪を引きやすくなり、重症化する可能性もあります。屋内にいても低体温症や凍傷などで凍死するリスクもあります。

冬の停電の原因

停電はさまざまな原因によって起きますが、気象現象が原因の停電は事前の備えによって防げる場合もあります。

どんな原因で冬に停電になるかを紹介していきます。

重たい雪

気温が0℃前後で降る雪は、水分を多く含み、樹木や電線に積もります。電線に積もった雪の重みによって、電線が切断されて停電が発生することがあります。

 

「平成18年豪雪」では新潟県を中心に大規模停電が発生しましたが、この時の停電の原因の1つが湿った雪でした。

湿った雪によって電線の断線が予想される場合は「着雪注意報」が発表されます。その間は湿った雪による停電に注意しましょう。

雷(特に日本海側)

雷が電線に落ちて、電線や変圧器などの設備が損傷することで停電が発生します。

雷は「夏が多い」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。実際、太平洋側は冬よりも夏に雷が多いのですが、日本海側は夏よりも冬に雷が多くなっています。

 

日本海側で冬に雷が多いのは、日本海で発生した雷雲が北風に運ばれてやってくることが多いためです。雷に加えて、強い北風や雪を伴うことが多いため、停電が発生すると、直ちに寒さ対策が必要な状況になりやすいという危険性があります。

 

「雷注意報」が発表されている間は、雷による停電に注意しましょう。

低気圧・冬型の気圧配置による暴風

冬型の気圧配置によって暴風が発生し、トタンや看板などの飛散物が電線にぶつかることや、風で巻き上げられた海水や雪が電線に付着することで、電線が切断して停電が発生する場合があります。

 

「暴風警報・暴風雪警報」が発表されているとき、または「強風注意報・風雪注意報」が発表されている間は、強い風による停電に注意しましょう。

地震、津波、事故

地震や津波、事故によって停電になることもありますが、気象現象が原因の停電と違って、停電の予測ができません。特に地震や津波による停電は電気設備そのものが壊れ、復旧するまでに時間がかかることも多くあります。

 

事前に停電の可能性が分かれば、備えることもできます。しかし、予測のできない停電が起きるリスクがある以上、いつ停電が起こっても、寒さで命を落とすことがないように日ごろから準備しておく必要があります。

停電時の寒さ対策

停電が発生して電気が使えなくなった時に有効な寒さ対策を紹介します。

電気がなくても使えるストーブ

部屋を効率的に暖めるためにはストーブが効果的です。

電気がなくても使えるストーブには以下のようなものがあります。

 

・石油ストーブ

電池と灯油があれば使えるストーブで、火力は強く、暖房として十分に効果があります。灯油がなくなると使えないため、多めに灯油を買ってストックしておきましょう。

 

・ガスストーブ

電池とガスがあれば使えるストーブで、カセットガスで使用できます。火力は石油ストーブに比べると劣りますが、カセットガスはカセットコンロ用としても使えるので停電時の調理にも重宝します。

 

夜間は「石油ストーブ」で部屋全体を暖め、昼間は太陽の光が入る部屋で過ごして、体の冷えを感じる場所を「ガスストーブ」でスポット的に暖めるなど、石油とガス、2種類のストーブを状況に応じて使い分けることをお勧めします。

冬用の寝具、衣服

毛布、布団などの冬用寝具、ダウンコートやウインドブレーカー、スキーウェアなど保温効果が高い衣服も、停電中の防寒アイテムとして活用できます。

これらは日常で使っているものをそのまま寒さ対策として使えます。

石油ストーブやガスストーブ用の燃料には限りがあるため、冬用の寝具や着衣は燃料を節約する意味からも積極的に活用しましょう。部屋や体が温まったらストーブの電源を切って毛布をかぶったり、厚着をしたりして過ごすなどもよいですね。

アルミシート・防寒シート

アルミシートや防寒シートは、室内の保温に役立ちます。

 

アルミシートは、窓ガラスに貼ります。それにより窓を通して伝わってくる屋外の冷気を遮断する効果が期待できます。梱包などに使用する気泡シートは、アルミシートや防寒シートに比べて保温効果は下がりますが、代用として使えます。

 

またシートを床に敷くことで、床から体に伝わってくる冷気を減らせます。床に敷くのであれば、カーペットやラグ、パズルマットなどでも代用できます。

ハクキンカイロ・使い捨てカイロ

「ハクキンカイロ」はベンジンを燃料とするカイロです。ベンジンを気化させる際に発生する熱を利用しています。体の冷えている部分にカイロのように当てて温めることができます。

 

ハクキンカイロの特徴は、24時間連続で使用できることや、使い捨てカイロに比べて13倍もの熱量があることです。

使用するにはベンジンやライターが必要になりますが、移動が必要な外出時の防寒アイテムとして重宝します。

 

使い捨てカイロは、ハクキンカイロに比べて発熱時間や熱量が低い一方で、燃料やライターが不要なので冷えた手をサッと温めたい時に便利です。

湯たんぽ

湯たんぽは、お湯を使って暖を取る防寒アイテムです。

停電していてもカセットコンロがあれば、お湯を沸かして湯たんぽが使えます。布団の中に入れておけば、寝る前に入れても朝起きるまで、保温効果が持続されます。布団の足元に入れておくことで、冷えやすい足の防寒対応にもなります。

 

湯たんぽには様々な種類がありますが、持続力や温かさが特に重要になる停電時は、熱が伝わりやすい金属製の湯たんぽがおすすめです。

冬の停電による寒さに備えておきましょう

冬は停電が起こりやすい季節でもあります。停電による寒さを防ぐためには、電気を使用しない暖房器具や防寒アイテムを上手に活用しましょう。また、灯油やガスなど、暖房器具の燃料は多めにストックして、急な停電に対応できるように備えておいてください。

 

<執筆者プロフィル>

田頭孝志(たがしら たかし)

防災アドバイザー/気象予報士

 

田頭気象予報士事務所

愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数 ・防災マニュアルの作成に参画。

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