乳幼児:まずは親が一緒にいる環境を
言葉で理解したり表現したりできない乳幼児にとって、避難生活は、大人が考える以上に負担が大きいものです。その影響が、ぐずったり、走り回ったりといった避難所での迷惑な行動につながりやすい年齢でもあります。
この年齢の子どもには、まずは親が一緒にいて安心させることが最重要です。子ども本人はもちろん、親のリラックスにつながるアイテムがあると良いですね。
・お気に入りのぬいぐるみ、タオル…普段使っているものが一つあるだけで子どもは落ち着きやすいです。
・絵本…避難先で静かに遊んでほしい時に。気持ちを落ち着かせたい時や寝かしつけにも重宝します。
・おやつ…できれば食べ慣れたものを。ただしストレスによる食べ過ぎには注意が必要です。
小学校低学年:きょうだいや友だちと一緒に遊べるアイテムを
友だちと遊ぶことが楽しい小学校低学年の子どもにとって、避難生活でいつもの友だちと遊べないのは大きなストレスです。親子で、きょうだいで、そして避難先で知り合った人と一緒に遊べるものがあると、避難生活も過ごしやすくなるでしょう。
・学用品…ランドセル、教科書など。
・お気に入りのおもちゃやぬいぐるみ…自分の気持ちをまだうまく言葉で表現しきれない年齢です。支えてくれるいつものおもちゃがあれば気が休まります。
・本やカードゲーム…周りとコミュニケーションを取りながら避難生活を過ごせるもの。
・ノートやペンなどの文房具…これらがあれば、一人でも複数人でも遊びを作り出すことができます。
・ランドセル、教科書などの学用品…子どもによっては勉強が滞ることがストレスになることもあります。勉強できる環境が心を落ち着かせるのに役立ちます。
小学校高学年〜中学生:一人の時間を持てるものを
自分と向き合うことを必要とする子どもには、周りに干渉されずに一人の時間を持てるものがあると良いでしょう。親に積極的に見せたくないものもあるかもしれません。事前に、避難する時には「自分がほっとできるもの」があるといいことを話し合っておきましょう。
・本や漫画…集中して過ごすために。
・日記や手帳…日記をつける習慣がある場合には、手元にあることで落ち着きます。
・携帯電話やゲーム機…友だちとのつながりを維持するためにも。
・生理用品(女子)…生活の変化でリズムが狂うことも。初めての場合は特に心配なので、備えておくと親も子も安心です。
・学用品、習い事や部活に使うもの…そのとき打ち込んでいるものがそばにあることで、たとえ勉強や部活ができる環境になくても、よりどころとなるかもしれません。
・そのほか、子ども自身が考える「自分がほっとできるもの」。
高校生以上:自分自身で持ち出し品の準備を促そう
生計を同一にしている高校生以上の子どもがいる場合、非常用袋の用意は、リストを共有して子どもに促すと良いでしょう。もちろん心配な場合は一緒に準備をしても構いませんが、自分で判断して準備をすることが、防災意識を高めることにもつながります。将来的に自立をした際に防災への備えをする準備にもなります。
子どもが運べるサイズの非常用袋の活用も
子どもだけで留守番することがある場合、親がいないときに子どもだけで持ちだす非常用袋を用意しておきましょう。動きやすいベストタイプやキッズ用の防災セットも販売されているので、活用するのもおすすめです。
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