コンビニといえば、おにぎりやお弁当をはじめ、飲み物などで日常的に利用している人が多いですよね。実は災害時も頼りになることをご存じでしたか?今回は災害が起きたときのシーン別に、店舗で手に取るべきグッズを紹介します。
Case1 徒歩圏で被災した!歩いて家に帰る
もし自宅以外の場所で被災し、歩いて帰宅しなければならなくなった場合には、最寄りのコンビニに飛び込んで以下のアイテムを購入しましょう。
(東京都では、災害発生から72時間はむやみに移動をせず職場など安全な場所にとどまるよう呼びかけを行っています。帰宅すべきか状況を確認してから行動しましょう)。
●携帯食や菓子類
「カロリーメイト」「inゼリー」などの携帯食は、歩きながらでも栄養補給ができるため便利です。チョコレート、キャンディーなどの洋菓子、ようかんやおせんべいなどの和菓子、ナッツやドライフルーツなどでも、空腹をしのぐことができます。
●飲み物
水分補給も大切です。夏であればスポーツ飲料など適度に塩分が入ったもの、冬であればホット飲料のお茶などがよいでしょう。
●スマートフォン用充電器と電池
家族との連絡や情報収集のために、スマートフォンの利用が普段と比べて格段に増えると思います。充電切れ対策にスマートフォン用充電器がない場合は、購入しておきましょう。電池で充電するタイプのものの場合、電池も合わせて購入しておくとよいですね。
●レインコート
災害時にはレインコートがあると便利です。傘だと片手が塞がって行動が制限されたり、通行の妨げになったりすることもあります。レインコートなら両手が自由に使えるうえ、不要なときには折りたためます。防寒にも役立ちます。
●使い捨てカイロや保冷剤
冬であれば寒さ対策として使い捨てカイロ、夏であれば暑さ対策に保冷剤を購入しましょう。外気温が寒かったり暑かったりすると、余計に体力を奪われてしまいかねません。これらのアイテムがあると役立ちます。
●手袋などの防寒具(冬)
冬になると手袋やネックウォーマーといった防寒具もコンビニに陳列されます。取り扱いを知らない人も多いかと思いますが、冬に被災して持っていない場合、探してみてください。入手しておくと寒さをしのげます。
Check! ローソンの「ネックウォーマー」の使い心地
「ローソン」の実店舗で「発熱ネックウォーマー」を購入し、暖かさをチェックしてみました。
胸元まで広く覆ってくれる立体構造で、かつ吸湿発熱機能もついています!値段は1,000円(税込み)でした。
着用してみるとかなり暖かいです!素材のポリエステルが厚手で裏起毛なのと、アジャスターで隙間をガードできるのがポイントのようです。
コンビニでしっかりした防寒具が購入できるのは意外でした。いざというときに覚えておくとよさそうです。
Case2 外出先で被災した!一時滞在施設に宿泊する
次に、外出先で被災して帰宅ができなくなり、職場や「一時滞在施設」(帰宅困難者を受け入れる施設のこと)などで宿泊することを想定しました。
前述した「歩いて帰る」ときのグッズに加え、購入したいものは以下の通りです。
●ボディーシートや化粧品類
ボディーシートを探しましょう。夏の汗対策に使われていますが、入浴できない場合に身体を拭くのにも使えます。また、衛生面が気になる場所でも活躍してくれます。
さらに、1泊分の化粧水や乳液などがセットになった「お泊まりセット」や、コンビニ限定のミニスキンケア用品は災害時にも使えます。メイク落としから保湿までがそろうと、女性の多くは少し安心できるのではないでしょうか。
●パンツや肌着、靴下
パンツや肌着、靴下、店舗によってはTシャツやワイシャツまで取り扱っています。夏は汗をかきますし、冬は肌着を下に重ねて着込むことで防寒対策にもなります。下着や靴下を変えるだけで気分も少しスッキリするはずです。
●コンタクトレンズの洗浄液とケース
コンタクトレンズの洗浄液とケースがセットになったものが販売されています。コンタクトレンズ利用者はこれがあればコンタクトレンズの保管に困ることはありません。
Check! セブンの「肌着」の使い心地
「セブン-イレブン」で、男性用「Vネックシャツ」を購入してみました。
セブン-イレブンのオリジナルですが、製造は大手肌着メーカー「GUNZE」です。綿100%で肌触りがよく、着心地も良さそうでした!価格は638円(税込み)でした。
女性用の肌着は近所の店舗では探せませんでしたが、男性用の肌着はどのコンビニでもほぼ取り扱いがあるようです。
Case3 自宅で被災した!在宅避難を始める
最後に、自宅で被災した場合にあると便利なものを紹介します。
●2Lの水
水は備蓄として買い置きが推奨されていますが、買い置きしていない場合はコンビニでも購入が可能です。店舗によっては箱で購入が可能なところもあります。
●野菜ジュース
食料の備蓄があっても、避難生活で不足しがちなのが野菜です。災害時は新鮮な野菜を入手することが難しくなります。野菜ジュースを調達して補うのもひとつの手です。
●ラップや紙皿、紙コップ
生活用品のラップ類や紙皿、紙コップなども購入できます。
断水が発生すると、食器を洗うにも困ります。あるいは、地震や水害で使える食器類がなくなる事態もあるでしょう。紙皿や紙コップなど使い捨てのものを利用し、さらにラップ類で包むことで、水を使わずに再利用が可能となります。
●おかゆや缶詰
レトルトのおかゆや缶詰類は乾物コーナーや、乾麺のパスタ売り場の近くに置いてあることが多いです。どちらも開けるだけですぐに食べることができるうえ、長期保管もできます。一定量を確保しておくとよいですね。
●おむつや衛生用品
乳幼児がいる場合にはおむつ、女性は生理用品が必要です。買い置きをしていない場合、コンビニでも入手が可能です。
ただし、おむつは取り扱っている店舗が限られ、メーカーやサイズも限定されていることが多いです。事前に取り扱いのある店舗を確認しておくとよいですね。
●ペットのごはん
住宅街の店舗を中心にドッグフードやキャットフードが品ぞろえされています。日用品コーナー近くに陳列されていることが多いです。ペットと暮らしている場合、普段から地元の店舗でどんなタイプのものがあるのかチェックしておくようにしましょう。
●粘着テープや養生テープ
粘着テープや養生テープ、荷造り用のひもなどの取り扱いもあります。こういったアイテムがあると、窓や家の補修、割れた窓ガラスの破片の掃除、後片付けや応急処置などにも便利です。
●ろうそく
仏事用の白いろうそくが販売されています。停電時にどうしても明かりがないとき、最終手段としてろうそくが使えます。いざというときには利用すると良いでしょう。ただし、火の取り扱いには注意してくださいね。
火をつけるためのマッチやライターを持っていない場合には合わせて購入しましょう。多くの店舗でマッチやライターもろうそくと同じコーナーに並んでいます。
Check! ファミマで買った「養生テープ」の使い心地
「ファミリーマート」で「養生テープ」を購入してみました。
養生テープは台風の時にはスーパーやホームセンターなどで品切れが続出します。取り扱いを覚えておくとよいですね。オカモト株式会社製で、価格は419円(税込み)でした。
このように、米印に窓に貼っておくことで強風による窓ガラスの飛散防止対策にも役立ちます。粘着テープと違って、剥がしやすく跡が残らないのが特徴です。
いつものコンビニを「防災目線」でチェック!
今回、実際の店舗で、災害時にあると役立つグッズが多く取りそろえられているのを確認できました。それらの大半は、普段は見ないコーナーにありました。コンビニはどの店舗でも限られたスペースに、多くの品物を取り扱っていますが、かならずしも数量が多いとは限りません。災害時はもしかすると、スピード勝負かもしれません。今度コンビニを訪れた際にはぜひ「防災目線」で棚を探してみてくださいね!
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松本果歩
フリーランスライター
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