やってみよう!スマホでハザードマップを確認する


画像:PIXTA

防災を考える上で欠かせないのがハザードマップ。自分の住んでいる地域の災害リスクや避難所が分かる便利な地図です。いつどこで起こるか分からない災害に備えるために、ハザードマップの見方・読み方を覚えましょう。今回は、ハザードマップの基本的な見方・読み方や災害に備える方法を紹介します。

ハザードマップとは

ハザードマップは、自然災害による被害の予測に基づいて、被害範囲を地図化したものです。被害が及ぶ範囲や被害の大きさ、避難経路・避難場所などの情報も記されています。

 

ハザードマップは各自治体が作成して配布していますが、各自治体のハザードマップを集めてマップ化した国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」にある「重ねるハザードマップ」がわかりやすくて便利です。

ハザードマップの見方、読み方

ハザードマップの見方や読み方を、この「ハザードマップポータルサイト」の「重ねるハザードマップ」を使って紹介していきます。

表示させる項目がいくつもあるのでややこしく感じるかもしれませんが、「災害種別」と「指定緊急避難場所」の2つを表示させるだけで、災害のリスクと避難場所が可視化され、わかりやすいです。

 

重ねるハザードマップはスマートフォンでも使えるので、スマホの使用を想定したハザードマップの見方を紹介します。

それでは災害ごとにハザードマップの見方・読み方を見ていきましょう。

洪水ハザードマップ

住んでいる地域に川がある場合は、「洪水」の災害リスクがあります。

洪水ハザードマップの見方は次の通りです。

 

① 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」にアクセス

② 「重ねるハザードマップ」の「地図を見る」を選択

 

③ マップ上に以下のウィンドーが現れるのでまず「災害種別で選択」で「洪水」を選ぶ

④ 画面左上の「情報」で画面を戻してから「すべての情報から選択」の「+」をタップする

 

⑤ 指定緊急避難場所で「洪水」を選択

 

画面右上の「×」をタップすると、地図上に洪水の被害が予想されるエリアと避難場所が同時に表示されます。

想定される浸水深は、色別に表示されます。

 

<凡例>

凡例は以下の手順で表示できます。

① すべての情報から選択

② 災害リスク情報

③ 洪水浸水想定

④ 解説

避難マークをタップすると、避難所の情報が表示されます。

たとえば、避難所の「エミフルMASAKI」は最大深3~5mの洪水エリアに入っていますが、大型のショッピングモールで高さがあるため、洪水から避難することができます。

 

洪水から避難するときは、一番近い避難所に向かうのが望ましいです。自分の住んでいるところの近くにある避難所を確認しておいてください。

津波ハザードマップ

海の近くや川の下流~河口付近に住んでいる場合は、「津波」の災害リスクがあります。
津波ハザードマップの見方は次の通りです。

① 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」にアクセス

② 「重ねるハザードマップ」の「地図を見る」を選択

③ マップ上に以下のウィンドーが現れるので災害種別で「津波」を選び、「情報」で画面を戻してから「すべての情報から選択」の「+」をタップする

④ 指定緊急避難場所で「津波」を選択

画面右上の「×」をタップすると、津波の被害が予想されるエリアと避難場所が同時に表示されます。

洪水と同じように、想定される浸水深が色で分かれています。

 

<凡例>

凡例は以下の手順で表示できます。

① すべての情報から選択

② 災害リスク情報

③ 津波浸水想定

④ 解説

 

津波の場合も、一番近い避難所に向かうのが望ましいです。浸水エリア内に避難所があるケースもありますが、「避難所が建物の2階以上」のように、予想される最大浸水深よりも高いところに避難ができる場所が表示されています。

土砂災害ハザードマップ

山沿いに住んでいる場合は「土砂災害」の災害リスクがあります。

土砂災害ハザードマップの見方は次の通りです。

 

① 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」にアクセス

② 「重ねるハザードマップ」の「地図を見る」を選択

③ マップ上に以下のウィンドーが現れるので災害種別で「土砂災害」を選び、画面左上の「情報」で画面を戻してから「すべての情報から選択」の「+」をタップする

④指定緊急避難場所で「崖崩れ、土石流及び地滑り」を選択

画面右上の「×」をタップすると、土砂災害の被害が予想されるエリアと避難場所が同時に表示されます。

急傾斜地、土石流、地すべり、土石流危険渓流、急傾斜地崩壊危険箇所、地すべり危険箇所、雪崩危険箇所ごとに、色分けされています。

<凡例>

大雨や地震などによって土砂災害のリスクが高まったとき、着色されている地域に住んでいる場合は、どの色にもかかわらず、直ちに近くの避難所に避難してください。

道路防災情報

「道路防災情報」は、道路冠水が想定される箇所、事前通行規制などが行われる場所を表示します。

 

表示方法は次の通りです。

 

① 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」にアクセス

② 「重ねるハザードマップ」の「地図を見る」を選択

③ 災害種別で「道路防災情報」を選択

道路防災情報では、以下の3つの情報が表示されます。

    ・「道路冠水想定箇所」危険

アンダーパス(道路を掘り下げ、交差する道路の下を通る形の立体交差)など、大雨の際に冠水し、車両水没といった事故のリスクがある箇所。

 

・「事前通行規制区間」

大雨などで土砂崩れや落石の危険性がある箇所について、災害が発生する前に通行止めなどの規制を行う区間。

 

・「予防的通行規制区間」

大雪時に、勾配の大きい坂で立ち往生しやすい箇所。

 

大雨や大雪などが予想されている中、車で運転する予定がある場合は、目的地に向かう途中に該当する場所がないか確認することをおすすめします。

もし該当する場所があるなら可能な限り迂回(うかい)しましょう。

<見方>

大雨が降っているときや予想されるときは、浸水の恐れがある危険   または土砂災害・落石のリスクがあるの道路をなるべく避ける。
大雪が降っているとき、または予想されるときはの道路をなるべく避ける。

ハザードマップを使った防災シミュレーションをしてみよう

それでは、洪水ハザードマップを使った防災シミュレーションをしてみましょう。

 

下記画像の赤丸付近にいると仮定した場合、洪水が発生したときにどのように避難するのが望ましいでしょうか?

最初に、避難場所の候補をいくつか決めます。近くに4つほど避難所(候補1~4)があります。

 

距離だけで見ると、候補1や候補2のほうが、候補3、候補4よりも近いです。

しかし、候補1や候補2だと橋を渡る必要があるので、河川の増水による橋の倒壊リスクなどを考えると候補3や候補4のほうが被災のリスクは下がります。

 

また、候補3であれば、川の反対方向に進んで歩けばすぐに浸水エリアから外れ、避難場所までの移動で浸水エリアにかかることもほとんどありません。

 

よって、このケースなら下記画像のように、候補3に向かって移動するのがもっとも安全です。

避難所の候補がいくつかある場合は、避難所までのルートも確認して災害のリスクが小さい場所を選びましょう。

ぜひ、自分の住んでいる地域のハザードマップを確認して避難所までのシミュレーションをしてみてください。

細かい情報は自治体のハザードマップを確認しよう

より細かいハザードマップや災害情報を知りたい場合は、自治体が出しているハザードマップを確認しましょう。

 

自治体のハザードマップは、国土交通省の「わがまちハザードマップ」でまとめて閲覧することができます。

 

たとえば、「熊本県にある阿蘇山の火山ハザードマップを確認したい」という場合、まず熊本県阿蘇市を検索すると、下記画像のように阿蘇市が出しているハザードマップの一覧が表示されます。

次に、「(火山ハザードマップの)公開URLを開く」を選択すると、阿蘇市が出している火山ハザードマップが表示されます。

 

わがまちハザードマップは、重ねるハザードマップで災害リスクがあることが分かった後でハザードマップをより詳しく見たい場合や、火山のように重ねるハザードマップには記載されていない災害対策の情報が欲しい場合に使います。

災害に備えてハザードマップを確認しましょう

ハザードマップは、自分の住んでいる地域の災害リスクや近くの避難所がわかる便利な防災ツールです。

災害が起こってからハザードマップを確認しても遅いので、災害が起こる前に災害リスクや避難所をハザードマップで確認しておきましょう。

 

今回紹介した「ハザードマップポータルサイト」の「重ねるハザードマップ」や「わがまちハザードマップ」はスマホでも使える便利なサイトです。ぜひブックマークしておいてください。

 

<執筆者プロフィル>

田頭 孝志(たがしら たかし)

防災アドバイザー/気象予報士

田頭気象予報士事務所

愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数 ・防災マニュアルの作成に参画。

 

読売新聞オンライン「災害」

 

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS