入学・進学に要確認!通学中に地震にあったら?


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東日本大震災の地震が起きたのは、午後2時46分。小学校低学年であれば、ちょうど下校するころでした。わが子の登下校中に大地震が起きたら…。もしもに備えておきたいですね。今回は、親が子どもと一緒にできる通学路対策を具体的に、特に子どもへ話す言葉とともに紹介します。特に入学、進学、転校などの時は親子で要チェックです。

通学路を歩いて、災害時の危険をチェック

入学準備として、学校から「通学路を子どもと一緒に歩いて確認しましょう」と言われていませんか。入学前にぜひ防災の視点からもチェックしてみてください。

 

普段は意識せずに通る道も、子どもが1人で歩く通学路だと思いながら歩いてみると、気になることが見つかります。たとえば以下のようなところは要注意です。

家屋や塀、電柱の倒壊

外にいるときに地震に遭遇した時、まず注意したいのが建物の倒壊です。歩道を歩いているときに、ブロック塀や屋根瓦が上から崩れてくるかもしれません。自分の目の高さではなくて、子どもの目線で見てください。

停電によるさまざまな影響

地震による停電が起きたときのことも考えておく必要があります。信号機が作動しなくなって、赤も緑も点灯が消えているのを見たことがあるでしょうか。信号機以外には、マンションのエレベーターや、インターホンなどが使えなくなるおそれがあります。マンション居住の場合、特に注意が必要です。

火災・津波・土砂崩れなどのリスク

大地震のあとは、火災、津波、土砂崩れ、液状化などさまざまな二次災害が発生することもあります。通学路にはどんなリスクがあるか、自宅のある自治体が作成・公開しているハザードマップで確認してみてください。

 

その他にも、「もしここで大きな地震があったら、どんなことが起こりうるか?」を想像しながら歩いて、危険な箇所を確認しておくとよいですね。

大切なのは、自分の身を守ること

ではそのうえで、どうしたらよいのかを見ていきましょう。

災害について具体的に考えることは大切ですが、危険箇所を指摘するだけでは、子どもはどうしたらいいかわかりません。地震発生時に身を守る方法や安全な避難場所、助けてくれる人がいるといった子どもが自分でできる対処方法を、具体的に伝えることが大切です。

 

子どもの年齢や理解度によって次のように話してみてはいかがでしょう。

「通学中に強い揺れ!まずは安全に避難」

・「建物が崩れてくるかもしれないから、崩れてきそうな建物や塀から離れよう」

・「ランドセルや両腕で頭を守ろう」

・「揺れがおさまったら、安全な場所に避難しよう」

 

地震のときは倒れてくるものから身を守り、揺れがおさまったら安全な場所へ避難します。園や学校の避難訓練で子どもたちも一度は教わったことがあるはず。外で地震に遭った場合も、同じように行動するとよいことを伝えましょう。

「家に帰る? 学校へ向かう?」

次に揺れがおさまった後の行動です。

通学路で地震が起きたとき家に帰るのか学校へ向かうのか、判断の目安となる地点を家庭で決めておくとよいでしょう。家と学校とのおおよその中間地点が目安になりますが、単純に距離だけでは判断できない場合もあります。

 

・「道路の路面に地割れや陥没が生じたり建物が壊れていたりなど、危険が多くありそうな方向に行ってはいけない。安全な道を選ぼう」

・「煙や火が見えたときは、たとえ自宅のある方向でも近づいてはいけない」

・「学校や家のルールよりも、そのときの自分の安全を第一に考えて行動しよう」
こうした命を守るために大切なことをしっかり言葉で伝えてあげてください。

「逃げ込める場所はあるかな?」

学校と自宅以外にも、もしものときの避難場所を覚えておくと安心です。通学路近くにある公園や公民館などに、指定された一時避難所があるかどうか確認してみましょう。

 

災害時の避難場所も家族で共有しておきましょう。そして子どもが親と離れた場所で災害に見舞われても、自力でたどり着けるよう、実際に近くの避難場所まで行っておくとよいでしょう。

「災害のときは、近くの大人に助けを求めてもいいんだよ」

子どもたちは日ごろから、不審者対策として「知らない人にはついていかない。声をかけられたら走って逃げよう」と聞かされています。

しかし家や学校の外で災害に遭遇した時は、命を守るために周囲の大人に助けを求めたほうがよいタイミングもあります。そのため、「親がそばにいないとき災害で困ったら、近くの大人に助けを求めてもいいんだよ」ということを伝えておきたいですね。

 

交通安全ボランティアや「子ども110番の家」の活動をしている家、マンションの管理人さん、ご近所さんなど、子どもをあたたかく見守ってくれている人が地域ごとにいます。日頃から挨拶を交わすなどして、地域のつながりや、安心な大人の存在を子どもに知らせておきましょう。

バスや電車で通学しているときはどうする?

東日本大震災のとき、首都圏などで帰宅難民となった人のなかには、下校中の小学生や中学生もいました。バスや電車など公共交通機関を利用して通学する場合、子どもに伝えておきたいこと、保護者が備えておくことについても考えておきましょう。

ドミノ倒しに気をつけて

強い揺れや緊急地震速報を受けてバスや電車が急停車したとき、混雑した車内でドミノ倒しが起きれば、けがだけでなく、最悪の場合、命にかかわることもあります。つまり、車内でどこにもつかまらず、立った状態で手元のスマートフォンの画面操作に夢中になっているのはとても危険です。普段から手すりやつり革にしっかりつかまっておくことが、地震対策として災害時の安全確保には大事な一歩と言えそうです。

緊急時は乗務員の指示をあおごう

電車やバスで災害にあうと、パニックになってしまう人もいるかもしれません。でもパニック状態での行動は混乱のもと。自分の身が危険にさらされるだけでなく、安全確認で運転再開まで余計に時間がかかるなど、ほかの方の迷惑にもなってしまいます。

乗務員の指示に従って冷静に行動する必要があることを、子どもに伝えておきましょう。

スマホ以外の連絡手段も把握しよう

東日本大震災のときには、安否確認のために全国的に携帯回線が混み合い、電話がつながりにくくなりました。バッテリーを温存するためにも、スマホの利用は慎重に。メールやSNSなど日常的に使っているもののほか、災害用伝言板など、家族で複数の連絡手段を確認しておきましょう。

 

特に、災害時に利用できる公衆電話の存在も知っておくとよいでしょう。ランドセルのポケットや生徒手帳に家族の電話番号のメモと10円玉などの小銭、テレホンカードを入れておくと、いざというときに公衆電話が使える可能性が高くなります。

助けを求められる場所を確認しておこう

大地震によって、公共交通機関やタクシーなどの交通手段が軒並み使えなくなることがあります。自宅から学校までのルート上に、困ったときに相談できる交番や、災害時の避難所となる施設はあるでしょうか? 地図で確認しておくだけでも、もしもの備えになります。

災害対策について家族で話し合っておきましょう

わが家には、中学生から保育園児まで子どもが3人います。末っ子はこの春新一年生。上の子どもは春から高校生。バスと電車を乗り継いで通学する予定です。

何も想定していないまま、家族が誰もいない場所で災害に遭うと、子どもはどうしたらよいかわからず、パニックになってしまう危険性があります。場合によっては、それによって命を失うこともありえます。

「もしも通学中に地震が起きたら、どんな行動をとるのがいいかな?」と、家族で話し合ってみることで、自分の身を守るための選択肢を増やすことができるでしょう。わが家でも新生活を前に、みんなで話し合っておこうと思います。

 

〈執筆者プロフィル〉

山見美穂子

フリーライター

岩手県釜石市生まれ。幼いころ両親から聞いた「津波てんでんこ」の場所は、高台の神社でした。

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