地震発生時に心配なのが、落下物や飛散物による頭のけが。防災グッズとしてヘルメットを備えている家庭なら安心ですが、ちょっとハードルが高いし収納場所も確保できない…。そこで頭に浮かんだのが「防災頭巾」です。調べてみると、意外と簡単に自作できるみたい。そこで今回は、防災への意識を高めるためにも自分で作ってみることにしました!
防災頭巾の作り方
今回は香川県教育委員会のHP(https://www.pref.kagawa.lg.jp/kenkyoui/hokentaiiku/anzen-hoken/anzen/security02.html)に記載されている作り方を参考にしてみました。
さっそく防災頭巾を作ってみましょう。
【材料】
・キルティング生地(26cm×88cm)2枚
・キルト芯(26cm×44cm)1枚
・2cm幅のカラーゴム(12㎝)1本
材料はすべて家の近くの手芸屋さんでそろえました。材料費を計算すると1,000円ほどでした。
まずは、1枚のキルティング生地の裏面中央にキルト芯を縫い留めます。
一目が1~2cmほどの大雑把な手縫いでOK!
縫い終わったら、もう一枚のキルティング生地と中表で合わせ…
周りをミシンで縫い付けていきます。返し口として、長いほうの一辺の中央約30cm分は縫わずに開けておきましょう。
こんな感じです!
次に、返し口を直角に広げて、キルティング生地の端と端を合わせたら…
角を丸く縫い合わせます。
そして、縫いしろをカットします。このときも、返し口として少し開けておくのがポイントです。
このような形になりました。
あとは返し口からひっくり返すと…
おお…!なんだか防災頭巾らしくなってきました。あとひと息です。
外周のフチをぐるりとミシンで縫い付けて、返し口も閉じましょう。ミシンの前にアイロンをかけておくと、縫い目が浮かず縫いやすいです。
最後に、顎下にくる位置にカラーゴムを縫い付ければ…
完成!ちゃんと立体的になっています。
実際にかぶってみると…
かぶってみました。頭にしっかりと沿う、丸いフォルムに仕上がっています。
顎下はゴムで留まっているので、首を前後上下に多少動かしても脱げることはありません。今回の寸法だと、身長155㎝・標準体形の女性の場合、写真(上)のように肩の途中まで隠れる程度のサイズになります。
キルティング生地2枚とキルト芯1枚、計3枚分の厚みがあるので、ふっくらと包まれている安心感があります。
身長95㎝の息子にもかぶってもらいました。子どもだと肩全体がしっかりと隠れました。顎下のゴムをもう少し上の位置にすれば、さらにフィット感が増すでしょう。
初めて防災頭巾を作ってみた感想は…意外と簡単!幼稚園グッズも手作りではなく購入するほど裁縫が苦手な私ですが、材料が少ない、かつ縫う箇所はほぼ直線ということで、あまり難しくは感じませんでした。制作にかかった時間は1時間半ほど。裁縫に慣れている母に手順を見てもらうと「私なら30分もあれば作れる」とのことでした。
もっと改良できるかも…
中に入れるキルト芯の枚数を増やせば、厚みと強度が増します。肩全体を覆うように、キルティング生地の長さを少し足してもいいかもしれません。
折りたたむとコンパクトなので、収納場所に頭を悩ませることもなさそうです。時間ができたら、家族分作ってみようと思います!
燃えにくい素材を使えばより安心
今回はキルト芯に綿素材を使いましたが、燃えにくい素材のものを使うと、防炎性能を上げることができます。
〇難燃キルト綿 厚さ10mm・幅1000mm(日本紐釦貿易 税別869円)
https://www.monotaro.com/p/4166/7544/?utm_medium=cpc&utm_source=Adwords&utm_campaign=246-833-
例えば、「難燃キルト綿」と呼ばれる特殊素材などがあります。この素材は、点火しても火が燃え広がりにくく自己消火するので、ミトンや鍋敷きなどのキッチン用品にも使われています。防災頭巾や座布団の中綿として、一部の小学校でも活用されているそうですよ。
地震による二次被害として火災が挙げられます。防災頭巾は、落下物や飛散物だけでなく、火の粉や災から頭を守る役目も果たします。市販の防災頭巾でも、防炎性能の高さをうたっている商品が多く登場しています。自作する場合も、燃えにくい素材を使ってより安全性を高めたいですね。
もし買うなら日本防炎協会が「防炎製品」として認定した防災頭巾も
市販の防災頭巾を購入する場合にも、防炎性能等を保証する証しである「防炎製品ラベル」が付いているものを選ぶと安心でしょう。
引用:独立行政法人 国民生活センター「子ども用防災頭巾の安全性」
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20100901_1.pdf
「防炎製品ラベル」とは、防炎性能試験基準、防炎製品毒性審査基準、防炎製品品質管理基準などの厳しい基準を満たしていると日本防炎協会が認めた商品にのみ付けられるマークです。
防災頭巾を作ってみよう!
地震発生時の頭の保護には、防災頭巾よりも硬いヘルメットのほうが安全性は高いでしょう。ただ、収納場所の確保が難しいなどで、ヘルメットを準備できていない方が多いかもしれません。
そういう場合、防災頭巾は気軽に備える防災グッズとして優れていると思います。簡単に自作できる、材料費が手頃、収納場所に困らないですから。
個人的には、好きなキャラクターの布地で作った防災頭巾なら、子どもたちも喜んでかぶってくれそうな点もうれしいポイントです。ぜひ防災頭巾作りにチャレンジしてはいかがでしょうか?
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ムギ
フリーランスライター
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