火災保険21年1月「平均5%」上昇!見直すべき人は

損害保険大手4社が2021年1月に住宅向け火災保険料を引き上げました。風水害や老朽化したマンション水漏れ事故などリスクを反映させたためです。火災保険・地震保険は申し込んでからそのままという方も多いことでしょう。この記事では、保険料の値上げを踏まえ、補償内容の見直しをお勧めしたい3タイプをまとめました。

火災保険の仕組み・補償範囲

見直しの前に、火災保険・地震保険の仕組みをおさらいします。

 

「火災保険」は、火事の被害に備える保険です。一戸建て・マンションの住宅購入時に加入します。建物と建物付属の構造物が対象です。キッチンや浴槽、エアコンなどの住宅設備、門、車庫なども補償されます。なお、保険によっては、敷地内でも別棟の倉庫や車庫は条件付きや対象外になる場合がありますので確認が必要です。

 

建物内の家財(家具、衣類、電化用品など)は含まれません。加入時に「建物と家財」を一緒に加入できる場合もありますが、そうでなければ火災保険と別に「家財保険」に加入する必要があります。

賃貸住宅の場合、建物の火災保険は大家さんが加入しています。賃貸に住んでいて自分の財産を火災から守りたいのなら家財保険だけに加入しましょう。

最近、賃貸借契約時に「火災保険」加入を条件とすることも多いようです。これは、火災保険の中でも、大家さんの損害を賠償する「借家人賠償責任保険」と「家財保険」がセットになったものです。賃貸借契約時に火災保険の加入を求められたら、個人で入っている家財保険と重複する補償内容がないかチェックしてから加入しましょう。

火災保険で補償されるのは火災だけではありません。最近の火災保険は、落雷・風災・水害などの自然災害のほか、水漏れや盗難など日常生活の事故も対象の「住宅総合保険」が多くなっています。保険によって補償範囲が異なるので加入前に必ず補償範囲と契約期間をチェックしましょう。

火災保険料は、下記の項目で決まります。

・対象となる建物の評価額

・建物の所在地

・耐火基準による建物構造区分

・築年数と契約期間

建物の評価額はその建物を再建築するか購入する際に必要な金額です。マンションの場合は広さを目安とします。

建物構造区分は、

①耐火構造のコンクリート造のマンションなどの「M構造」

②鉄骨造の一戸建ての「T構造」

③木造一戸建てなどの「H構造」

の3種類があります。保険料は①が最も安く、③が最も高くなります。

火災保険の加入や見直しは、ネット保険会社で簡単に見積もりが取れます。あらかじめ補償内容を検討して保険料のシミュレーションをしておくと良いでしょう。

地震保険の仕組み・補償範囲

地震保険は「地震・津波・噴火」による「火災・損壊・流失」の被害を補償します。地震は急激に広範囲に甚大な被害を及ぼすため、国が民間保険会社と共同運営しています。

単独では加入できず、火災保険とセット加入するか追加加入します。

地震が原因の火災は火災保険では補償されません。また、車は家財にならないため、車の被害は火災、地震保険の対象外です。

補償対象は居住用の建物と家財です。地震保険の契約は、火災保険の保険料の30〜50%の範囲と決まっています。火災保険が1,000万円なら、地震保険は300万〜500万円です。保険金額の上限は、建物5,000万円、家財1,000万円です。

被害発生時は、被害の程度により「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階に区分され、それぞれ保険金額の100%、60%、30%、5%が支払われます。

地震保険料は、建物の構造と所在地によって異なります。建物構造の区分は、耐火・非耐火の2区分です。

1月改定で全国平均5%上昇は全社共通

2021年1月1日に火災保険と地震保険の保険料が改定になりました。火災保険料は、損害保険料率算出機構が改定した「火災保険参考純率」の基準より、保険会社各社で保険料を改定しました。地震保険料の改定は全社共通です。

住宅総合保険の参考純率は、改定により全国平均4.9%の引き上げとなりました。また、築浅住宅に対しての割引の制度が導入されました。

地震保険の基本料率は全国平均で5.1%引き上げられることになりました。基本料率が引き下げとなった道府県もあります。

地域、構造、築年別の改定率は下記を参照ください。

・火災保険参考純率改定のご案内(損害保険料率算出機構)
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/201910_announcement.html

・地震保険基準料率改定のご案内(損害保険料率算出機構)
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/earthquake/201905_news.html

見直しをお勧めする「3タイプ」!

今回、補償内容を見直した方がよいのは下記の3条件に該当する場合です。

1) 直近1年以内に契約更新の方

2) 契約期間が1年更新の方

3) 築10年未満の住宅の方

 

火災保険の契約期間は1〜10年、地震保険は1〜5年から選べます。同じ補償でも契約期間が長いと保険料長期割引が適用されます。火災保険を10年契約にした場合は、1年契約と比べて年間の保険料が2割近く割引になる場合もあります。

 

築浅の住宅は水漏れ損害など給排水設備老朽化のリスクが低いため、築10年未満の住宅の保険料の割引率が見直されました。特に築5年未満の住宅では平均28%の割引が適用されます。

 

3条件のうち、いずれかに該当する場合は見直しをお薦めします。自動更新する前に、必要な補償内容を確認し、今後の保険料の見積もりをネットで複数の保険会社から取った上で、契約中の保険会社に相談してみてください。

まとめ

国内の地震保険の世帯加入率は、約33%(2019年)です。地震のリスクも決して小さくありません。火災保険・地震保険の料金は2021年1月から同時に改定されました。現在の補償内容を見直してみましょう。損害保険は、契約期間内に解約し新しい保険に加入すると、残りの期間の解約返戻金が戻ってきます。見直しするなら「一日も早く」がおすすめです。

 

<執筆者プロフィル>

奥野美代子

CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/中小企業診断士、MBA
株式会社アイリスプランナー代表取締役 中小企業診断士/FPとして起業・経営に関するライフプラン・経営戦略・マーケティングの研修やWeb媒体に記事執筆を行う。共著「専門家のための事業承継入門」(ロギカ書房)

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