モンベルに聞いた!災害時にも役立つテントの選び方

テントイメージ

雨や風をしのぎ、泊まることもできるテント。キャンプなどのレジャーに限らず、災害時にも大活躍してくれます。自宅が倒壊して屋外に避難しなければならない時も、避難所などでプライバシーが気になる時も、テントがあれば大きな安心感につながるでしょう。この記事では、アウトドア用品メーカー「モンベル」(大阪市)の広報担当に、災害時にも役立つテントの選び方を教えてもらいました。(写真はすべてモンベル提供)

どういうふうに選んでいくか

―まず、テントをこれから購入しようと考えている人のために、基本的な選び方について聞きました。購入したら災害時だけでなく、キャンプなどアウトドアでも使うことを想定しています。

1.利用する人数を決める

モンベル広報(以下モンベル):まずは何人で使用するのかを決めましょう。家族4人の場合でも、4人で1つのテントで過ごすのか、あるいは2人ずつ2つのテントに分かれて過ごすのかなど、年齢や家族構成によって変わってくると思います。

「何人用」は目安に!

―災害時に使用することを想定した場合は、テントメーカーが示す「何人用」の表示を過信してはいけないそうです。

モンベル:何人用か書いてあるのは、多くの場合、「最大の収容人数」です。なので、「4人用」と書いてあるテントに大人が4人入ると窮屈だと感じることもあります。ゆったり過ごしたい場合、4人なら「6人用」を買うなど、少し余裕を持ったタイプのものを選ぶことをおすすめします。特に災害時には身の回りのものも入れることが想定されます。生活必需品や非常食なども一緒にテントの中で保管するのであれば余裕をもったサイズ選びをしておくと良いのではないでしょうか。

―居住性が良いテントとして以下(=写真)を紹介いただきました。

ムーンライトテント4
商品名:ムーンライトテント4
価格:76,780円(税込み)
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122764

2.運ぶ手段はクルマ?それとも電車?

モンベル:テントを運ぶ手段が車なのか、電車なのかをイメージしましょう。車の場合、その車の荷室容量に対し、どれぐらいを占めることになるのかなどを考える必要があります。キャンプではテントだけでなく多くの荷物が必要となるからです。電車での移動の場合はコンパクトで軽いものがいいでしょう。ただし、持ち運びしやすく軽いものはテントが小さく居住性が悪くなるため、バランスが大切です。

―軽量タイプのテントとして以下(=写真)を紹介いただきました。


商品名:クロノスドーム2(低山での使用に適している登山向けテント)
価格:25,080円(税込み)
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122491

3.使う場所をイメージ

モンベル:最後に、テントをどこで使うのかをイメージしましょう。キャンプ場のように平らに整地されている場所で使うのか、あるいは山の上で風が強く地面も不安定な場所で使うのかによって、選ぶテントは変わります。整備されている場所で使用することが多いのであれば、テントの形はドーム型やロッジ型など、どれでも構いません。災害時にも使用することを想定している場合には、ポールを組んで組み立てたら完成する「自立型式」のテントがいいですね。ペグや張り綱なしでは立たない非自立式のテントは屋内や体育館のような場所では設置が難しいことがあります。

―風に強い山岳用テントの一例として以下(=写真)を紹介いただきました。

ステラリッジ テント2 本体

商品名:ステラリッジ テント2 本体(森林限界以上※で使用可能な山岳用テント)
価格:32,120円(税込み)
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122649

―これに「ステラリッジ テント2 レインフライ」(価格:税込み14,850円)をつけて使用します。
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122654

ステラリッジ テント2 レインフライ

※森林限界とは、背の高い木が成長できず森林を形成できない標高を指します。

そもそもどのような場所にテントを設置すると安全なのか自分たちで判断することもアウトドアの学びのひとつです。増水する川の近くは避けるなど、危機管理をしながらテントを設置することは災害時に自分の身を守ることにもつながります。アウトドアで学んだ知識や経験は災害時にも役立つと思いますよ!

―ちなみに、モンベルでは、体育館など屋内避難所での利用を前提にした、プライバシーの確保などに役立つ商品「ブラインドシェルター」(=写真)も扱っています。防水仕様ではなく、アウトドアでは使えませんが、状況に応じて取り外せる天井部分が特徴です。コロナ禍の現在、避難所での感染防止対策を進める自治体から問い合わせが増えているそうです。

ブラインドシェルター

商品名:ブラインドシェルター
価格:27,500円(税込み)
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1122469

素材の難燃性や通気性も注目!

―素材面ではどのようなタイプを選べばよいのでしょうか?

モンベル:テントは屋外で使用することを想定しているので、どの商品を選んでも防水性は問題ないと考えてよいでしょう。ただし、耐熱・防炎については基本的に考えられていません。このため、テントのそばで火をたかない、というのは常識となっています。

―ちなみに、モンベルのテントは燃え広がりにくい「難燃加工」がされているものが多いそうです。燃えないわけではないですが、燃え広がるまで時間がかかるので、店頭で素材を確認してみるとよいかもしれません。店頭での購入を推奨する理由は、素材や機能面が自分の目的にあったものか専門のスタッフに相談できるから。

モンベル:テントとして販売されているものの中には十分な防水処理がされていないものもまれにあります。基本的には専門店でお店の人に聞いて購入してほしいですね。防水性能があるものでも、長い間使っているとコーティングや縫い目に貼られている浸水防止のテープがはがれ、浸水してしまうことがあります。日々のお手入れの際に確認し、経年劣化していたらそのパーツだけ買い替えたり修理したりしてくださいね。

また、テントは換気にも注意が必要です。テント本体は素材自体に通気性があり空気が抜けるようにベンチレーション(通気口)がついています。ベンチレーションを完全に塞いでしまうことで酸欠状態になってしまうことがあります。テントで過ごす際には換気することを覚えておきましょう。

組み立てが難しそうだと感じたら

―ところで、使い慣れていない場合、ハードルが高いのが「組み立て」です。

モンベル:組み立てが簡単にできるかどうかはとても重要です。難しすぎると、そもそも使う気になりませんよね。基本的にはテントが大きくなればなるほど生地も大きく、パーツも多くなり骨組みが複雑になるので組み立て時間が長くなります。ポールが何本もあると設計図を見なければ組み立てられないものも…。

モンベルのロングセラーである「ムーンライトテント」(月明かりの中でも組み立てられるということに由来します)は、組み立てがシンプルで簡単かつ、居住性も良いバランスの良いタイプで初心者の方にもおすすめです。回組み立てておけば、次からは説明書を見ずに組み立てられると思います。

組み立てに必要な時間が説明書などに示されている商品もたくさんあります。また、店によっては、店員が実際に組み立てながら教えてくれるところもあります。参考にしてみてくださいね。

まとめ 目的や人数に応じてバランスの良いテント選びを!

今回聞いて思ったのは、防災用としては「誰にでも共通して言えるテント選びの極意はない」ということ。使用する人数や、これまでどのくらいテントを組み立てた経験があるか、どこで使用するのかによってその選び方は大きく変わってきます。
軽量で持ち運びがしやすいものはポールや本体の生地を軽くしているため、狭すぎて快適に過ごせないこともあります。自分がテントに何を最も求めるのかということと、居住性のバランスを見極める必要があります。

2016年の熊本地震の際、「余震が怖くて寝られない」と思っていた被災者の中には、「テントなら安心して眠れる。壁が崩れる心配も、上からモノが落ちてくる心配もしないで済むから」と話す人もいたそうです。

これまでテントと無縁だった場合でもコロナ禍や防災などを考えると、テントを購入するのは十分ありだと思います。この記事を参考に、購入するかどうか、購入するならどのようなものがいいのか、購入後にどう使い慣れていくのかなどを考えてみてくださいね。

<執筆者プロフィル>
松本果歩
フリーランスライター

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