5月に気をつけたい防災キーワード「雹(ひょう)」!

5月の防災キーワード「雹(ひょう)」

5月は高気圧に覆われて晴れる日が多く、特に大型連休のころは行楽日和になることが多いです。
そんな5月に気をつけたい防災キーワードはこちら!

雹(ひょう)

5月は晴れの日が目立つ一方で、強い日差しと上空の寒気の影響で大気が不安定になりやすく、雷や突風、雹(ひょう)などが起こりやすい季節でもあります。中でも特に発生しやすい現象が「雹」です。ときにはピンポン球やゴルフボールほどの雹が降ることもあるんです!そんな大きな氷の塊が落ちてくるわけですから、屋根や車などの被害だけでなく、人がケガをする恐れもあります。
この記事では、雹の特徴や対策について紹介します。

雹はどういうもの?

車の上に積もる雹

雹とは、直径5mm以上の氷の粒や塊が降ってくる現象です。似た現象にあられ(霰)がありますが、あられは直径5mm未満の氷の粒が降ってくるもの。氷の大きさによって区別されています。

雹が5月に多く降る理由は、地表と上空の温度差が大きく、積乱雲が発達しやすいためです。この積乱雲が雹を降らせます。
以下でもう少し詳しく説明しましょう。

なぜ5月に雹が多くなるの?

地面に降る雹

5月は初夏の日差しで地表付近の気温はどんどん上がりますが、上空には晩冬や春の冷たい空気が残ったままです。冷たい空気は重たく、暖かい空気は軽いため、大気はダルマを逆さにしたような状態になります。
この逆ダルマの状態を「大気が不安定」と言います。そして、この不安定を解消しようとする際に積乱雲が発生するのです。

5月でも氷点下の雲の中には氷の粒ができます。雲の中では暖かい空気が勢いよく上昇(上昇流)しようとしているので、氷の粒は上昇流に負け、地面に落ちることができません。
その間に氷の粒は、周囲の水滴や氷の粒と合体してどんどん大きくなります。そして、やがて上昇流でも支えきれなくなった氷の粒が地面に落下して、雹になるわけです。

5月は地表と上空の温度差が大きく上昇流も強くなりやすいので、氷の粒が雹に成長しやすく、降雹が多くなる、というわけです。

ちなみに雹は全国どこでも発生する可能性がある現象ですが、都市部や内陸などは雹による被害が起こりやすい傾向があります。地表に暖かい空気がたまりやすいために、上空の寒気との気温差が大きくなるのです。

暖かい5月に、氷の塊の雹が落ちてくるのはなぜ?

雹も氷ですから、「5月の暖かい時期になぜ氷の塊が落ちてくるの?解けないの?」と疑問に思うかもしれません。

実は積乱雲がもっとも発達するのは7~9月ごろです。ところがこの時期は、さすがに雹が降っても地面に到達するまでに暑さでだいたい解けてしまいます。
5月は前述の通り、地表近くは暖かくても上空が冬並みの空気ですから、ガチガチに凍った氷の塊は落下中に完全には解けず、雹として地上に到達するのです。

発達した積乱雲が発生しやすいこと、なおかつ気温が、雹を完全に解かすほどではないため、5月は夏よりも降雹が多くなっているのです。

雹について気をつけること

雹は雷や竜巻などの現象と一緒に発生するケースが多いです。どれも積乱雲がもたらす現象だからです。そのため雹が降る前兆は以下のようになります。

①巨大な積乱雲(入道雲)が見える
②黒い雲が近寄ってくる
③雷鳴が聞こえたり、雷光が見えたりする
④冷たい風を肌に感じる

このような兆候がひとつでもある場合は、できるだけ早く安全な建物の中に避難しましょう。雹は雨や雪と違い、断続的に降ることはありません。5分から30分程度でやむことがほとんどです。
ただし、雹がやんだあとに豪雨が続くこともあるので注意してください。

雹とはどういうもの

気象情報から雹を予測する

また雹は、事前の気象情報からある程度予測することができます。

まず雹が降るような不安定な大気が予想される場合、数日前に気象庁から気象情報で注意を促す発表があります。
台風や梅雨前線による大雨であれば、台風情報や週間天気から雨が降りやすい日の判断ができますね。しかし雹が降る日は必ずしも雨予想であるとは限りません。週間天気では晴れ予想になっているのに「午前中は晴れて、夕方から雲が広がって雹が降る」といったケースも多いのです。
週間天気予報の雨・晴れだけで判断せず、まずは気象情報をこまめにチェックすることが大切です。

雷注意報が出ていたらセットで雹にも注意!

雹そのものに対する注意報や警報はありませんが、雷注意報の中で「落雷、または雷に伴う雹、突風など」に注意を促しています。5月に雷注意報が出ているときは、雹に対しても注意しましょう。

ほかに、ニュースや天気予報などで以下のようなワードが出てくるときは要注意です。

・大気が不安定
・上空に強い寒気
・竜巻、落雷、突風のおそれ
・激しい気象現象に注意

こういった言葉が出てくるときは雹が降る可能性があるので、天気予報をこまめにチェックしてください。
雹は雷とセットで起こることも多いので、気象庁のレーダーナウキャストの雷の状況などをチェックし、雷が鳴っているところは雹が降る可能性もある、と捉えて備えるといいでしょう。

<執筆者プロフィル>
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
愛媛県在住。防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌のコラム、特集記事を執筆。BS釣り番組でお天気コーナーを担当。自治体、教育機関、企業の防災マニュアル作成に参画。講演も多数。

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