子育て世帯向け!災害時の安否確認と避難計画

子どもがいる家庭では自然災害発生時に、子どもの安否確認とともにわが子に会えるかどうかが最大の気がかりではないでしょうか。職場や学校など離れ離れの状況で被災する恐れがあるためです。そこで、今回は自然災害発生時に家族、特に子どもの安否を確認する手立てや、家族のための避難計画を紹介します。

防災の第一歩!居住地の防災リスクを把握しておく

自然災害というと地震災害を思い浮かべる方が多いと思いますが、地震以外も発生しています。家族のための防災対策の第一歩は住んでいる地域にどんな自然災害リスクが存在しているのかを把握しておくことです。

代表的な自然災害は地震、噴火、津波、洪水、大雪、土砂災害の6つです。住まいのある地域でこれらの災害リスクがどのぐらいあるのかを、自治体の防災マップなどで把握しておきましょう。

参考:
国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
東京都総務局「東京都防災マップ」
渋谷区「渋谷区地震防災マップ」

災害別に防災マップがあります。子どものいる家庭なら学校なども含め、生活エリアを対象とした複数の防災マップを参照しておいてください。

子どもの安否確認の考え方

ここからは、災害発生で大混乱が生じているなか、家族間、特に子どもの安否確認と子どもと連絡を取る手立てを紹介していきます。

家族で複数の連絡手段を共有しておく

スマートフォンの普及でコミュニケーションの利便性は各段に高まりました。スマホがあれば安否確認できると考えがちですが、災害発生時には通信手段が断たれることを念頭に置いてください。通信機器が損傷し、携帯電話、インターネットとも使えなくなる恐れがあるのです。
2011年3月11日に発生した東日本大震災の時には、広範囲にわたってスマホなどの電話通信が遮断されました。完全復旧したのは1か月半ほどたった4月末でした。

そこで最も大切なのが、家族間の連絡手段を複数、共有しておくことです。

スマホ、固定電話やインターネット通信といった特性の異なる通信手段のほか、災害用の通信手段についても共有しておきましょう。災害時用公衆電話と災害用伝言サービスは事前に存在や使い方を知らなければ、非常時の活用が困難でしょう。災害時にどの手段が有効かは予測不能ですので、どの手段でも使えるように心がけていただければと思います。

*電話通信とインターネット通信(Eメール・LINE・WEB伝言板)
〇災害時用公衆電話
参照:NTT東日本「災害時用公衆電話(特設公衆電話)設置場所」
〇総務省主導の災害用伝言サービス(災害用伝言ダイヤル・災害用伝言板・WEB伝言板・災害用音声お届けサービス)
参照:総務省「災害用伝言サービス」

集合場所を決め家族の避難計画を作っておく

もうひとつ重要なのが、連絡手段に頼らない集合場所など家族の避難計画を作成し、家族で共有しておくことです。電話もネットも断たれた場合、時間がかかってもいいからここに集合するという場所を、あらかじめ決めておくのです。
この場合も複数設定しておくことが大切です。

避難計画が必要な理由

日中なら親は職場、子どもは保育所や幼稚園、学校など、家族が異なる場所にいる家庭が少なくないでしょう。
そのための家族の避難計画であり、それを共有しておくことが必要不可欠です。

避難すべきか動かないほうがいいか災害によって違う

ところで、自然災害ごとに避難の必要性は異なります。その場にとどまるほうがよいものと、その場からすぐ避難すべきものがあります。
避難の必要性は下記の通りです。

■その場にとどまるほうがよい
〇地震
〇台風

■迅速に避難したほうがよい
〇津波
〇都市型洪水(河川の決壊)
〇都市型火災(点在して火災が発生)

■状況によって避難するかどうかを判断したほうがよい
〇土砂崩れ
〇大雨による洪水

自宅と避難場所など複数の集合場所を設定しておく

では集合場所はどこにしたらよいでしょうか。
少なくとも自宅と地域の指定避難所の2か所を設定しておいてください。それぞれの集合場所へのアプローチ方法なども決めておきましょう。

捜す人と待つ人の役割分担をしておく

自宅や指定避難所を避難場所として決め、運良く設定していた避難所にたどり着けたとしても、同じ場所にいながら家族と会うことができないことも考えられます。大勢の人がいて、思うように動けない、捜せない恐れがあります。
そこで重要なのが、家族のなかで動き回って捜す人ととどまって待つ人を決めておくことです。たった2人でも互いに相手を捜して動き回ると、すれ違いになりやすいためです。出会える確率を高めるためには、捜す人と待つ人の役割分担を決めておくことがポイントなのです。

安否確認アイテム&サービス

最後に家族の安否確認手段として注目されているサービスを紹介します。
GPS端末を利用した子どもの見守りサービスは、インターネット通信が可能な状況であれば利用できます。親が自分のスマホアプリで手軽に利用できるのがポイントです。
災害時だけでなく、普段から子どもの通塾の行動確認や防犯上の安全確認に利用できる点が魅力です。
現時点でお薦めしたいのは、以下のサービスです。

例:soranome

小型の端末機器を子どもに持たせておくことで子どもの場所を地図上で確認できるほか、子どもの行動履歴を同じ地図上で確認することができます。

まとめ

自然災害には常に想定外の出来事を念頭に置いておく必要があります。わが子のための、家族の避難計画を立てることができるのは、家族だけです。家族の安否確認をするために最新技術とアナログ的要素の双方を避難計画に盛り込んでおきましょう。

 

<執筆者プロフィル>
榑林宏之(くればやしひろゆき)
一級建築士(BAUMPLANNING一級建築士事務所代表)
中堅ゼネコン設計部を経て独立、一級建築士として活動。自然環境への取り組み(自然との共生)の一環として自然災害・防災(主に地震災害・防災)研究及び啓発活動を推進しています。

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