7月に気をつけたい防災キーワード「線状降水帯」!

線状降水帯には、どんな危険性があるの?

線状降水帯の怖いところは、梅雨前線の位置が少し変わるだけで、大雨が降る場所もそれと連動して変わっていくことです。

この画像は、2020年7月4日の雨雲の様子です。

(出典:気象庁―「線状降水帯に関する情報について」https://www.jma.go.jp/jma/kishou/shingikai/kentoukai/tsutaekata/part9/tsutaekata9_shiryou_2.pdf

線状降水帯が発生し、熊本、宮崎、鹿児島3県の一部で大雨になっているのが分かります。でも、その一方で、近くの鹿児島県の中心部、熊本県の北部、大分県の南部では、まったく雨が降っていません。

広範囲に大雨をもたらす台風や低気圧の場合、位置が少々、変わっても大雨のポイントが大きくずれることはないため、天気予報を見ていれば、事前に大雨への備えができます。
しかし、幅の狭い梅雨前線(線状降水帯)の位置を的確に予想することは、残念ながら困難です。前線の場所が予想より少し変わるだけで、「予報では大雨だったのに晴れている」「晴れの予想だったのに大雨になっている」といったこともあります。
つまり、狭い範囲に大雨をもたらす線状降水帯は、台風や低気圧に比べて、天気予報が外れやすく、大雨への備えが遅れやすい危険性があるのです。

また、梅雨前線が停滞すると、1日以上にわたって線状降水帯による大雨が続くこともあり、その結果、過去に経験したことがないような雨量を記録したり、それに伴う大規模災害が発生したりします。

梅雨前線は梅雨明けまで日本付近をウロウロするので、そのうちに移動してしまう低気圧や台風とは異なり、「雨の終わり」が見えない怖さもあります。

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