避難所での睡眠が不安…災害時にしっかり眠る方法

大規模自然災害に遭遇し、避難所で生活することになったときに普段通りに眠ることはできるでしょうか。緊急事態で体が疲弊しているとき、睡眠が取れないと回復力が低下して、心身の不調につながりかねません。今回は、避難所でも良い睡眠をとるために自分でできることを紹介します。

災害が起きたときの避難所の状態とは

普段の生活では寝室を自分で好むスタイルにしていると思います。また寝る前にお風呂に入ったり、トイレに行ったりするなど、眠りにつくための決まった流れがある人も多いと思います。では、避難所生活ではどのような環境で眠りにつくのかを考えてみましょう。

(1)プライバシー
同一空間に多くの人が集まります。不特定多数の視線がある環境で生活することになります。
(2)気温
快適に感じるよう自由に調整することはできません。
(3)トイレ環境
多くの人が使います。行きたいときにすぐに行ける状況ではない場合もあります。
(4)お風呂
ないと考えたほうがよいでしょう。
(5)明るさ
明るさも、そのようにしたいと思ったとしても自分で調整できません。
(6)音
自分以外の人が動く音や話す声、ラジオやスマホの音などが耳に入ってくるでしょう。
(7)空間の広さ
自分だけの空間は広く持てない場合が多いでしょう。
(8)食料や水
支給が滞ったり、品数が限られたりすることが多いでしょう。

このように避難所では、これまで当たり前にできていたことがほとんどできなくなります。この環境で就寝します。安眠することはとても難しい問題です。

環境的な問題を少しでも減らすには

起こってから準備をすることはできません。事前に準備をしておくことが大切です。

非常持ち出し袋に入れておきたいもの

非常持ち出し袋などに睡眠を考えて以下のようなものを用意しておくと安心です。リストを確認して、自分と家族分を備蓄しておきましょう。

□アイマスク
□耳栓
□飲料水
□栄養補助食品
□下着や洋服
□使い捨てカイロ
□冷却シート
□ティッシュペーパー
□タオル
□アルコール消毒剤
□せっけん
□生理用品
□胃腸薬などの薬

音や明るさの対策は睡眠に大切です。耳栓やアイマスクを用意しておくといいですね。また、タオルは丸めれば程よい高さの枕代わりになります。バスタオルなどの大きめのタオルも用意しておくと良いと思います。

避難所でリラックスするためにできること

ここからは、難しい環境でもより良い睡眠をとるために、自分でできる方法を紹介します。災害時には、緊張状態で本人がそうと気づかないほど、体も精神も疲れていることが少なくありません。眠れないと体は疲弊していきます。どんな環境でも睡眠をとる必要があるのです。

(1)緊張して硬くなった体を緩ませる
立った状態で両手を上にぐっと伸ばし、背伸びをするように30秒くらい伸ばします。このとき息を吐いてゆっくり呼吸してください。両手をしっかりと伸ばすことで筋肉の緊張もほぐれます。
緊張すると、神経が興奮して筋肉も緊張しているものです。ゆっくりとしっかり伸ばしてあげましょう。

(2)首の緊張を緩ませる
両手を20秒くらいこすり合わせて温め、その手を首に当て2分間ほどそのままにしてください。息は吐きながらゆっくりと呼吸を繰り返しましょう。首が温まり、神経の緊張が緩みます。

(3)おなかを緩ませる
あおむけに寝たら、両手を20秒くらいこすり合わせて、その手をみぞおちの上に置きます。ゆっくり息を吐きだし、呼吸を繰り返しましょう。

(4)考えない
災害時には難しいかもしれませんが、体を横たえたら意識的に考えないようにしましょう。スマートフォンなどを見るのをやめ、新しい情報を入れないようにします。難しい場合、目を閉じて自分の体に意識を向けてみてはどうでしょう。(3)を行いながら、頭に浮かんでくるいろいろな事柄を流すように心掛けてみてください。

心身ともにリラックスできる状態になれば、避難所でも質の良い睡眠をとることができます。避難所に限らず、普段から寝る前にリラックスする練習をしておくのも良いですね。

災害を乗り切るために避難所でもしっかり睡眠を

今回は、避難所で睡眠をとるためにその場でできることを紹介しました。どのような環境でも睡眠は、災害を健康に乗り切るためにとても重要です。

 

<執筆者プロフィル>
越野博文(こしのひろふみ)
上級睡眠健康指導士
D.C.(ドクターオブカイロプラクティック)
鍼灸・マッサージ師
一般社団法人コアラボラトリー協会理事

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