【気象予報士が解説】「防災の日」に考えよう。関東大震災とわが家の防災

もしいま、同じ規模の地震が起きたら…

関東大震災が発生した当時と比べると、現在は国や自治体の防災対策が積極的に行われています。ハザードマップの作成をはじめ、各自治体が避難のガイドラインを制定し、災害が発生したときの避難行動なども防災マニュアルにまとめられています。
またハード面では、建物の耐震化が進み、地震に強い住宅が増えています。

それでも建物の老朽化が進んでいるエリアもあります。そのような場所で火災が発生すると、関東大震災と同じように火災旋風が発生して被害が拡大することが予想されます。
都心のオフィス街は燃えにくいビルなどが多いですが、住宅街には燃えやすい木造家屋が多くあります。そのため都心を中心としてドーナツ状に火災が起きることが予想されています。

また、関東大震災のときよりもリスクが高まったと考えられているのが、「帰宅困難者」の存在です。公共交通機関の運行停止や道路の渋滞、火災などで、都心で仕事をしている人が自宅に帰れずに帰宅困難となります。

帰宅しようとする人々が道路にあふれ、歩道橋や地下街の入り口などに押し寄せる危険性も指摘されています。何らかのきっかけで歩行者が倒れて押しつぶされる「群衆雪崩」の二次被害が発生する可能性もあるのです。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS