【気象予報士が解説】11月に起こりやすい「突風・竜巻」に注意

寒冷前線による突風や竜巻

(引用:気象庁-「日々の天気図(2020年11月02日)」https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/hibiten/2020/2011.pdf

寒冷前線は天気図上で青い線で表示される前線です。温かくて軽い空気の下に冷たくて重い空気がもぐり込むことで、発達した積乱雲が作られます。寒冷前線が通過する際には短時間強雨や雷、竜巻、突風現象などをもたらします。
前述の北海道佐呂間町竜巻災害は、この寒冷前線が通過する際に発生した竜巻災害です。

寒気移流による突風や竜巻

(引用:気象庁-「日々の天気図(2018年12月08日)」https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/hibiten/2018/1812.pdf

寒気移流とは、寒気を伴った冷たい空気が流れ込んでくることです。中国大陸から吹いてくる冷たくて乾いた北~北西風(季節風)が温かい日本海を吹き渡る際に、発達した積乱雲を作ります。日本海側を中心に雨や雪を降らせ、雷や竜巻、突風現象などをもたらします。
天気図上では西に高気圧、東に低気圧が位置することから「西高東低の気圧配置」と呼ばれ、等圧線が縦縞模様になるのが特徴です。

寒冷前線も寒気移流も冬季によく発生しますが、竜巻や突風などの激しい現象は特に11月や12月に起こりやすい特徴があります。
そもそも積乱雲が発生するのは、温かい空気と冷たい空気がぶつかるためで、その温度差が大きいほど積乱雲は発達します。11月や12月は秋の名残で地表の気温や海水温が高いのですが、そこに真冬並みに冷たい季節風が吹いてくるため、温度差が大きくなります。そのため、1月や2月に比べて発達した積乱雲が作られやすい傾向にあります。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS