お湯を備える「ホットプラスマルチウォームバッグ」
とはいえ、冬季の災害時に停電やガスなどのライフラインが途切れたなかで、温かな食べ物や飲み物があれば、どれほど心が温まることでしょうか。阪神大震災は1月、東日本大震災は3月に起きました。乳幼児のミルクを調乳するには適温のお湯が必須です。そんなときにあったらうれしい商品を見つけました。「ホットプラスマルチウォームバッグ」(=写真)です。
発熱剤と二層構造になったマルチバッグ、取っ手などがセットになっていて、水を用意すれば、非常食やレトルト食品などの温めやお湯を沸かすことができるというのです。ガスや電気、火は必要ありません。
写真説明:発熱剤とマルチバッグ、取っ手がセットになった「ホットプラスマルチウォームバッグ」。温める際に袋を立てる組み立て式の紙製スタンドも入っています。この商品には、発熱剤使用期限として2026年10月と記載されていました。
水を注いで食材の温めやお湯を沸かす
マルチバッグの大きさは縦36㎝で幅32㎝。内部で発熱剤を入れる発熱層(外袋)と食材をいれる加熱層(内袋)に分かれています。使う時は、最初に発熱剤を外袋の底に置き、温めたい食材を内袋に入れます。外袋に180mlの水を注いで発熱剤と反応させ、付属の取っ手で袋を密閉して食材を温めます。食材の代わりに内袋に水を入れれば、お湯を沸かすこともできます。
内袋の底は外袋の途中にあるため、食材が下部からの熱で加熱される仕組みです。加熱時間の目安はレトルト食品やおにぎりなどは15分から20分程度、お湯なら10分から15分程度です。450ccの水の場合、10分程度で90度超になるそうです。
「山本商事」(京都市)が開発し、2020年11月から販売しています。防災安全協会の「防災防疫製品大賞ⓒ2021」で10月、新製品開発・セット部門優秀賞に選ばれました。
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