【気象予報士が解説】「南岸低気圧」の仕組みと防災のポイント

画像:PIXTA

南岸低気圧は西日本や東日本の太平洋側に大雪をもたらす低気圧です。日本海側で降る雪のメカニズムとはまったく異なっています。雪に慣れていない人も多い太平洋側の平野部にも雪を降らせることから、大規模な大雪災害になるケースもあります。

この記事では、南岸低気圧の仕組みや注意すべき災害、備えるポイントについて解説します。

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南岸低気圧とは

南岸低気圧とは、日本列島の南を発達しながら東~北東に進んでいく低気圧のことです。

以下の画像は2014年2月8日と2月9日の天気図です。南岸低気圧が西日本や東日本に大雪をもたらしました。

(画像引用:気象庁「日々の天気図」2014年2月https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/data/hibiten/2014/1402.pdf

ちなみに低気圧が日本海を通る場合は「日本海低気圧」と呼ばれ、暖かい南風が吹いて春一番をもたらします。南岸低気圧も日本海低気圧も仕組みは同じですが、通る場所によって気象状況が大きく異なることから名前が異なっています。

また、この時期に日本海側に大雪を降らせるのは「西高東低の気圧配置」です。西高東低の気圧配置では、中国大陸からやってくる冷たい季節風が暖かい日本海の海上を吹き渡る際に雪雲を作ります。そのまま雪雲が日本海側に流れ込んで大雪を降らせます。

この時期に災害をもたらすのは、南岸低気圧・日本海低気圧・西高東低の気圧配置の3つです。
それぞれの違いについても知っておきましょう。

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