「霜」被害は冬より春に多い!遅霜で気を付けるポイント

画像:PIXTA

春から夏にかけて「遅霜(おそじも)」の被害が発生しやすくなります。遅霜による被害は主に農作物に生じます。この記事では、遅霜の被害が起こる原因や被害例、事前にできる対策などを紹介します。

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遅霜とは

そもそも「霜」とは、空気中の水蒸気が夜のあいだに冷えた地面や植物に付着して、氷の結晶となったものです。気象庁によると「遅霜」は「晩春から初夏にかけての霜」と定義されています。

霜は最低気温が4℃以下になると発生しやすくなると言われています。ちなみに水蒸気や水滴が氷になるのは0℃以下です。
4℃以下で霜が発生する理由は、気温を観測しているのが地表1.5mの高さで、冷気がたまる地表面の温度は気温より低く、0℃以下になるからです。

意外かもしれませんが、冬には霜の被害はほとんどありません。冬は最低気温が0℃以下になることも多く、寒さに弱い農作物はそもそも育っていないためです。遅霜で被害が発生するのは、暖かくなって順調に育ってきた農作物がダメージを受けるためです。
また、秋にも霜害は発生します。冬前の霜は「早霜(はやじも)」と呼ばれます。

遅霜の被害の事例

遅霜は、主に農作物が凍って枯れたり、不作になったりする被害につながります。
近年では以下のような大規模遅霜害が発生しました。

遅霜が起こりやすい条件

以下の3つの気象条件がそろうと、遅霜が発生しやすくなります。

・上空に寒気が入っている
・晴れている
・風が弱い

晴れて風が弱いと、「放射冷却」が起こって地表付近の熱は急速に奪われます。
放射冷却とは、地表付近の熱が宇宙空間に逃げて気温が下がる現象です。雲があると地表からの熱を反射し、風が強いと周囲の暖かい空気と混じるので放射冷却は弱くなります。

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