集中豪雨は時間勝負!見るべき気象情報はこれだ

集中豪雨による災害が各地で起きています。集中豪雨は短時間で雨が大量に降るため、降り始めから災害の発生まで時間が短くなりやすい特徴があります。いつ巻き込まれるか予測できません。今回は、集中豪雨に対してどのように備えたらいいのかを紹介します。

集中豪雨とは

集中豪雨とは、狭い範囲に数時間にわたって降る大量の雨です。
集中豪雨をもたらす要因として、

  • 梅雨前線
  • 台風
  • 上空の寒気
    などが挙げられます。

 

「上空の寒気」と「大気の状態が不安定」

このうち注意が必要なのは、上空の寒気による集中豪雨です。梅雨前線や台風と異なり、事前に大雨が予想されていないこともあり、また集中豪雨の範囲が狭く隣町は晴れているといった場合もあるためです。

上空に寒気が入ると、天気予報やニュースで「上空の寒気の影響で大気の状態が不安定」といった内容で情報発信されます。そのため「大気の状態が不安定」や「上空の寒気」という言葉を耳にしたり、見かけたりした場合は集中豪雨に注意してください。

季節にも注意を払ってください。夏から秋にかけての集中豪雨は上空に寒気が入って起こるケースが多いのです。天気が急変し、1時間に80mm以上の猛烈な雨が降ることもあります。このような集中豪雨はゲリラ豪雨と呼ばれて年々増えており、都市部を中心に「集中豪雨による都市型水害」が深刻な問題となっています。

都市型水害は、地面がコンクリートやアスファルトで覆われているために雨水が地下に浸透しにくく、大量の雨水が下水道や河川に流れ込んで発生する浸水や氾濫などの水害です。1時間に50mm以上の雨で起こる場合もあります。雨の降り始めから短時間で災害が発生しやすい特徴もあります。

集中豪雨で注意すべき災害と対策

次に集中豪雨に対し、どのように対処したらよいかを見ていきましょう。

集中豪雨は短時間に大量の雨が降ってすぐに災害につながるため、早めの対策が必要です。特に注意すべきなのは、河川の氾濫、浸水、土砂災害、落雷、突風などです。

河川の氾濫や大雨による浸水

まず河川の増水や氾濫、浸水などに対してです。特に短時間の集中豪雨では、中小河川の氾濫やアンダーパス、地下への浸水などが起こりやすく、マンホールから水があふれて道路が川のようになる場合もあります。アンダーパスは、立体交差で掘り下げ式になっている道路やくぐり抜け式の通路をいいます。

集中豪雨のときは河川や用水路に近づかないことです。アンダーパスや地下は浸水する可能性があります。地面よりも低いところは避け、建物の上部に避難することが大切です。道路が川のようになっている場合、マンホールの蓋が外れていても気付かずに落下する危険性があります。冠水した道路を通るのは避けてください。

土砂災害

山間部では集中豪雨で土石流、がけ崩れ、地すべりなどの土砂災害の発生リスクが高くなります。集中豪雨のときは山には近づかないことです。屋外に出て逃げるのが危険な状況である場合は、建物の2階などの上階に行き、山から一番離れた部屋に避難してください。

落雷、竜巻・突風

集中豪雨に伴って生じる落雷や竜巻、突風などにも注意が必要です。

雷が鳴っているときは外出を控え、屋外にいる場合は頑丈な建物内に避難しましょう。また、建物の中でも竜巻や突風によって窓ガラスが割れ、飛散する恐れがあります。建物内を移動して避難する場合はこうしたことが起きてもケガを被ることがないよう、窓からできるだけ離れた場所を通って避難してください。

屋外にいて避難する場所がない場合は、耳をふさいで足を閉じて姿勢を低くしてしゃがみましょう。「雷しゃがみ」と呼ばれている方法で、落雷のリスクを最小限に抑えることができます。

集中豪雨時に役立つ気象情報

集中豪雨が起こったら、今いる場所の災害リスクをいち早く知ることが大切です。

ここでは集中豪雨対策に役立つ気象情報について紹介します。

記録的短時間大雨情報

まず記録的短時間大雨情報について。記録的短時間大雨情報は、数年に1度しか発生しないような短時間の大雨を観測・解析したときに発表される気象情報です。その時に降っている雨が土砂災害、浸水害、河川の氾濫につながる可能性が高い雨量であることを知らせる情報であり、災害リスクが高まっていると判断できます。

記録的短時間大雨情報が発表された時点では、すでに集中豪雨が発生して屋外への避難が危険になっている可能性もあります。そして住んでいる地域の災害リスクは、警報や記録的短時間大雨情報だけで網羅することはできません。次に紹介する警報の危険度分布をチェックして、今いる場所で集中豪雨以外の災害リスクがどれくらい高まっているかもあわせて確認しましょう。

警報の危険度分布

警報の危険度分布は、今いる場所の土砂災害、浸水、洪水の危険度が分かる気象情報です。危険度は下図表の通り5段階に分かれており「赤色=避難準備」「紫色=避難勧告」「濃い紫色=避難指示」の目安になっています。

出典:気象庁「危険度の色と避難行動」

警報や記録的短時間大雨情報が発表されたら、警報の危険度分布をチェックして、今いる場所の災害リスクがどれくらい高まっているかを確認してください。

また、警報の危険度分布はその時点から10分~20分前の情報が表示されますが、集中豪雨が発生すると分単位で状況が刻々と変わります。警報の危険度分布が赤色になると避難の目安になりますが、黄色でも状況が急激に変わる場合があると認識し、身の危険を感じたら黄色でも早めに避難しましょう。

まとめ

集中豪雨は短時間で災害リスクが高まるため、自治体や気象台の情報を待たずに、自分自身で現在いる場所にどんな災害リスクがあるのかを考えて行動することも大切です。特に、川の近くや山間部、地下など水害が起こりやすい場所にいる場合は、大雨が降りだしたら安全な場所に早めに避難しましょう。集中豪雨はいつどこで起こるか分かりません。集中豪雨によって起こる災害リスクをあらかじめ頭に入れておき、いざとなったら気象情報を活用して災害に備えましょう。

 

<執筆者プロフィル>
田頭孝志
防災アドバイザー/気象予報士 田頭気象予報士事務所
愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数 ・防災マニュアルの作成に参画。

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