水も煙も揺れも!防災館で自然災害まとめて疑似体験

日本に暮らしていれば、さまざまな自然災害への備えが必要です。東京消防庁の「本所防災館」ではいろんな災害の様子をリアルに体験できると知り、さっそく行ってみました。誰でも無料で参加できる防災体験ツアーをリポートします!

本所防災館はJR錦糸町駅から徒歩10分ほどのところにあります。入り口は普通ですね。

「防災館」ってどんな施設?

中に入ると地震、水害、火災、暴風雨、応急手当てなどさまざまな体験コーナーに分かれていて、インストラクターの案内で、防災シアターを視聴後に4つのコーナーからいくつかをツアー形式で体験できます。元消防士という経歴のインストラクターも多く、体験談を聞けることもあるとか。

今回は都市型水害体験、煙体験、地震体験の3つを順番にリポートします(ツアーの内容は当日の状況などにより変わります)。

◆都市型水害体験 水でドアが開かない!

ここは都市型水害を経験できるコーナーです。都市の排水は1時間に50mmまでしか処理できませんが、実際は100mm以上となって許容量を大幅に超えることがあるそうです。水が床上10㎝以上になったときにドアはどのくらい重くなるのか、その危険性を体感します。

床上10㎝、20㎝、30㎝のパターンです。体重をかけてドアを両手で押したところ想像していた以上に重いです。床上10㎝はかろうじて開きました。そして20㎝、30㎝はドアがびくともせず…!ドアの重さは単純に2倍、3倍となるわけではないんですね。大人の男性でも開けられないことが多いそうです。

道路が冠水したときの、車のドアの重さも体験できます。

車なのでドアは自分の体の真横にあり、この姿勢でドアを開けようとしたところ、びくともしませんでした。浸水10㎝でも。ドアが真横だと、全体重をかけて押すことができないんですね。本当の災害だったらと思うとゾッとしました。こうした場面では、すぐに窓を開け、窓からの逃げ道を確保するのが良いそうです。覚えておかないと、パニックになりそうです。

車に緊急脱出ハンマー!

窓を開けることができないときは、市販の緊急脱出ハンマーを使って側面か後面の窓をたたき割り、脱出しましょう(脱出の体験はできません)。フロントガラスは構造上、砕けないようになっていますので要注意です。緊急脱出ハンマーは水没などで車内に閉じ込められたときに使う道具で、カーショップや量販店、通信販売などで購入できます。

緊急脱出ハンマーがない場合、座席のヘッド部分を抜いて、先端の尖った部分で窓ガラスをたたき割る手段もあります。ただしヘッドを抜くのに力が必要ですし、難しいかもしれません。ヘッド部分が外れないものもあります。やはり緊急脱出ハンマーは常に車の中に準備しておきたいですね。

都内には、水害の恐れのあるアンダーパス(立体交差や鉄道などによって、周囲の地盤面より低い位置でくぐり抜けるようになっている道路)がこんなにたくさんあります!大雨や台風のときに車で移動するのは避けたほうが無難かもしれません。

◆火災の煙体験 姿勢を低く!

次は、煙体験コーナーで煙が充満する部屋からの避難を体験します。こちらの煙は体に害のないものです。

煙は上にたまるので、画像のように姿勢を低くして煙の下を移動します。片方の手は身体よりも前の壁をつたうようにして、もう片方の手は口と鼻を押さえることが大切!(この画像ではマスクをしていますが、本来はハンカチなどを使って手で口を押さえるのがベストです)

また、服に火がついた時は、焦って走り回ると余計に火が広がります。そういう時は「ストップ・ドロップ・ロール」。まず立ち止まり、床に倒れて、転がることで火が消えるそうです。ぜひ言葉とともに覚えておきましょう。

◆地震体験コーナーで過去の大地震を追体験

最後に訪れたのは地震体験コーナーです(満3歳以上で体験可能)。震度7までの揺れを体験することができます。また過去に起きた大地震の揺れ方も体験することができます。

少し前までは、地震が起きると「まずは火を消せ!」というのが鉄則でした。しかし、今は「まずは身の安全を確保、揺れがおさまってから行動」に変わっているそうです。「揺れを感じたら、すぐに机の下にもぐって机の脚をもちましょう」とレクチャーを受けてから、実際に揺れを体験します。

最初に阪神淡路大震災の揺れを体験しました。

いきなりドスンとした縦揺れを感じます。「心の準備をしていても怖い!」
揺れがおさまったら火を消して、ドアを開けることができたら合格です!

続いては東日本大震災の揺れです。

「ぐるぐる床がまわっているみたいな揺れ方!」でした。揺れている間は本当に身動きができないことにびっくりします。

また、同じ震度でもマグニチュードや震源の深さなどにより揺れ方がまったく違うことがわかりました。実際に「こんなにも揺れる!」ことを体験することで、家具の転倒防止対策をすることがいかに大切か実感します。

体験では、揺れが発生した際、家の中にいる想定でした。もし、隠れる場所がない外出先で緊急地震速報が鳴った場合は、身を守るために塀などから離れてしゃがみ、頭をカバンなどで守ることが重要だと教わりました!

ツアーの終わりに、特殊災害対策車のカードをいただきました。カードは毎月変わります。コレクションするのも楽しいですね。消防に関するグッズを販売する売店もありました。クルマ好きな子どもが喜びそうなレアなグッズがいっぱいです。

まとめ

「地震・火事・水害は怖い」……わかっていたことですが、疑似体験をしてみると、自分がいかに災害を甘くみていたのかを思い知らされました。災害ごとにそれぞれ必要なものや、普段からどのようなことに気を付けるべきなのかを考えさせられました。今回は、リポートしたコーナー以外に防災シアターでの映画鑑賞や、VR(仮想現実)ゴーグルをつけて「車で帰るタイミングで台風の大雨」という想定の体験もしました。地震や火災のVRメニューもあるそうです。防災館を訪れてみることをお勧めします。

本所防災館
https://tokyo-bskan.jp/bskan/honjo/index.html
交通:錦糸町駅から徒歩10分、押上(スカイツリー前)駅から徒歩10分、都営バス横川三丁目(都08系統)バス停から徒歩2分
利用時間:9:00~17:00(入場受付は16:30まで)
休館日:毎週水曜日・第3木曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)
料金:無料※防災体験ツアーは事前の電話予約を推奨
問い合わせ先:03-3621-0119
※2020年8月現在、コロナ下で利用時間や内容を一部変更中です。詳しくは本所防災館のホームページを確認してください。

 

<執筆者プロフィル>
松本果歩
フリーランスライター

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

公式SNS