予期せぬ火災の備え 家庭用消火器の選び方


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火事に備えるための家庭用消火器と言ってもいろいろな種類があり「どれを選んだらいいのか分からない!」という方は多いと思います。そもそも「家庭用消火器は本当に必要?」と疑問に思う方もいるかもしれません。この記事では家庭用消火器はどのようなものなのかを解説し、買う場合の選び方のコツについて紹介します。

家庭用消火器を選ぶ上で知っておきたいポイント

家庭火災に備えて消火器を購入しようと思っても、どれを選んでいいのか分からないものです。自分の家庭に合った正しい消火器を選ばなければ、火災が起こったときに消火の効果を十分に発揮できないかもしれません。
まず家庭用消火器について知っておきたいポイントを解説します。

家庭用消火器の必要性

家庭で火災が発生したら身を守るための行動が最優先ですが、キッチンやコンロでぼやが発生した時に、初期の段階で消火できれば延焼を防ぐことができます。大事に至らないで済むのです。

火災の初期段階で延焼を抑えることができれば、ほかの住宅に炎が燃え移ることや近隣住民の命を守ることにもつながります。この初期消火を行う上で有効なのが家庭用消火器です。

ちなみに東京消防庁のデータによると、消火器を使った初期消火成功率は約80%(簡易消火器具を含む)となっています。家庭用消火器が初期消火にいかに重要な役割を果たしているかが分かりますね。

家庭で起こりうる火災の種類

家庭で起こりうる火災には、以下のような種類があります。

  • 紙や木材、布などが燃える「普通火災」
  • コンロの消し忘れなどで起こる「コンロ火災」
  • 電気コードなどで起こる「電気火災」
  • 石油ストーブなどで起こる「ストーブ火災」
  • たばこの不始末による「たばこ火災」
  • 放火

住宅火災の原因としてもっとも多いのはコンロ火災で、次に多いのがたばこ火災、放火、ストーブ火災の順になっています。つまり家庭火災の多くは不注意によるものなのです。

どんな住宅タイプにも家庭用消火器は必要

家庭用消火器は戸建て、アパート、マンション等家のタイプを問わず必要性が高いです。
ただ、アパートやマンションなどの共用住宅は、総面積が150㎡以上になると消火器の設置義務があるため、共用スペースなど見えやすい場所に設置されています。また11階以上の建物になるとスプリンクラーの設置も義務付けられています。

「消火器が設置されているなら家庭用消火器は不要では?」と思う方もいるかもしれませんが、消火器は家になければ使えないのです。
また「スプリンクラーがあれば消火できるのでは?」と感じる方もいるかと思いますが、それだけでは安心できません。スプリンクラーは火災報知機と連動するタイプや熱に反応するタイプが多いですが、火災が起こってから一定時間たった後に反応して初期消火が遅れることもあるのです。初期消火は時間が勝負です。早く取りかかれるように、どの家庭でも室内に家庭用消火器を設置することをお勧めします。

家庭用消火器は高い?

次に価格面にも言及しておきます。家庭用消火器と言えば、何万、何十万円もするイメージを持つ方もいるでしょう。実際、以前の家庭用消火器は高価でしたが、最近は数千円で購入できるタイプが販売されています。
費用面から家庭用消火器の購入をためらう方も多いですが、いまは種類や数が豊富なので予算に応じて選べます。安価なものでも、選び方を間違えなければ十分に使えます。

消火器の選び方

消火器には、大きく分けて業務用と住宅用があります。
業務用はさらに、普通火災用、油火災用、電気火災用の3タイプに分かれています。一方、家庭用消火器は1つで「普通火災、天ぷら油火災、ストーブ火災、電気火災」の4つの火災に使える仕様になっています。

一般の家庭で消火器を用意する場合、住まいが戸建て、アパート、マンションいずれであっても、住宅用消火器を選びましょう。住宅用消火器は業務用に比べて軽くて小さく、女性や高齢者でも簡単に使用できます。

家庭用消火器のタイプ別おすすめ

家庭用消火器には3つのタイプがありますが、タイプによって消火の効果も異なります。ここでは、3つのタイプの特徴とそれぞれおすすめの家庭用消火器を紹介します。

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