最大積載量220kg!「空飛ぶクルマ」に集まる防災や観光の期待

写真説明:試験飛行する「空飛ぶクルマ」(2021年6月4日、岡山県笠岡市の笠岡ふれあい空港で)

岡山・倉敷市で進む実用化を目指す取り組み

中山間地域や離島への物資輸送を想定し、操縦士を乗せずに自動操縦で空中を移動できる「空飛ぶクルマ」の活用を目指す取り組みが、岡山県倉敷市で進んでいる。将来的には防災や観光などに生かしたいとしており、関係者の期待は高まっている。

やや強い雨天のなか試験飛行決行

2021年6月4日、同県笠岡市の笠岡ふれあい空港では、やや強い雨のなか、空飛ぶクルマの飛行実験が行われていた。機体を所有する団体や製造する中国企業の関係者ら約20人が見守る中、空飛ぶクルマは高さ約30mまで上昇し、約5分間かけ、550mを安定して飛行。無事に着陸すると、関係者から拍手が起きた。

空飛ぶクルマの仕様と機能

機体は全長約5・6m、高さ約1・7m、機体重量は約430kg。事前にプログラミングすることで無人自動操縦ができるほか、地上から操縦することも可能だという。最高速度は時速130kmで、1回の充電で約21分間(35km)の飛行が可能。

最大積載量は220kgで座席は二つあるが、現時点では人の搭乗は法令で認められていない。「クルマ」と呼ばれているが、航空機に分類され、自動車のように道路上を走行することはできない。

実験の狙いと見通し

機体を所有するのは、倉敷市の水島地域の企業などが会員の一般社団法人「MASC(水島・エアロ・スペース・クラスター)」。地域の企業の技術を活用し、新たなビジネスにつなげようと、2020年7月、ドローン製造などを手掛ける中国企業「イーハン」から会員企業が約3500万円で購入した。

現時点では飛行するのにイーハンによる組み立てと整備が必要だが、MASCもいずれ、タクシーや観光、物資輸送などでの使用を見越し、整備や操縦ができる態勢を整えるという。

国も活用を後押し

国ではこうした航空機やドローンの活用を後押しする法整備が進んでおり、MASCの桐野宏司理事長(瀬戸内エンジニアリング会長)は、「実用化で瀬戸内海の離島と、本土との行き来が活性化されることを期待している」と話している。

(読売新聞 2021年6月11日掲載 岡山支局・松本慎平)

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