九州豪雨で被害の甚大化を寸前回避! 熊本・市房ダムの緊迫メモ


県が永久保存に向けて「歴史公文書」に指定

2020年7月4日の九州豪雨で緊急放流が寸前で回避された熊本県営市房ダム(熊本県水上村)について、塚本貴光・管理所長が記していた当時のメモが残されていることが分かった。予測を超える雨量で水位が増す中、放流をぎりぎりで実施せずにすんだ緊迫した様子などを伝えている。県は2021年春、メモを永久保存に向けて「歴史公文書」に指定した。

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ダムは氾濫した球磨川上流にある

市房ダムは、九州豪雨で氾濫した球磨川の上流にあり、総貯水量は4020万t。治水ダムで、発電などにも活用されている。

緊急放流は「異常洪水時防災操作」と呼ばれる操作で、ダムへの流入量とほぼ同量の水を放流する。2018年の西日本豪雨では6府県の8ダムで行われ、愛媛県を流れる肱(ひじ)川の野村、鹿野川両ダムの下流域で大規模な浸水被害が起きた。市房ダムは過去に3度行われた。

豪雨の前日…

メモは塚本所長が、雨の状況が変わっていくなか、事務所のパソコンを確認しながらダムの水位などを書き留めていった。事前にダムの容量を確保する「予備放流」の実施を決めることになった2020年7月3日昼頃から、緊急放流を中止した4日昼頃までの記載。メモ紙4枚にペンで書かれ、水位上昇が始まった4日未明以降、殴り書きされている。

写真説明:ダムの水位や雨量などの情報が記されたメモ

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