災害時の自治体トイレトレーラー互助!富士市から始まり全国17市町に

写真説明:「ぼうさいこくたい2021」の屋外展示場で(2021年11月、岩手県釜石市)

「ぼうさいこくたい2021」の展示とセッションから

災害時のトイレ問題で、自治体が自前のトイレトレーラーを持って支援し合う取り組みが注目されています。国の緊急防災・減災事業債などを活用して車を購入し、平常時はイベントや支援に使います。13自治体が1台ずつ車を備え、年度内に17台になる予定です。岩手県釜石市で11月に開催された「ぼうさいこくたい2021」では、山梨県北杜市が車を展示し(=写真)、車を持つ自治体の首長3人がセッションで熱く語りました。リポートします。

災害派遣トイレネットワーク「みんな元気になるトイレ」

「ぼうさいこくたい」は内閣府などが主催する防災イベントです。6回目となる今回は岩手県釜石市で11月6、7日に開催されました。屋外展示場の災害派遣トイレネットワーク「みんな元気になるトイレ」のスペースに、白地に青で南アルプスのりょう線が描かれたトレーラーがありました。山梨県北杜市の車です。

写真説明:北杜市のトイレトレーラーを前から見たところ。各個室には窓もあります。別の車で牽引して移動します。

山梨県北杜市のトイレトレーラーをじっくり見学

トレーラーは全長4.3mで幅2.4m、高さ3.5m。一側面に2室ずつ計4室あり、ドアに階段をつけて昇降します。水洗や手洗い用の水タンクと汚水タンクを備え、汚物は約1500回の使用ごとに排水します。

さっそく個室内に入ってみます。

写真説明:トイレトレーラーの側面。

天井にはLEDライトがあり、太陽光パネルなど充電設備があるため停電時でも点灯します。室内には洋式の水洗トイレとシャワーがあり、換気システムや手すりがついています。幅、奥行きともゆとりがあり、子どもと一緒に入ったり着替えをしたりするなどもできます。とにかく明るく清潔です。

写真説明:幅が1m超あって座面の前も、大人が足を伸ばしても余裕が十分あります。

災害派遣トイレネットワーク「みんな元気になるトイレ」とは

災害派遣トイレネットワーク「みんな元気になるトイレ」は、一般社団法人「助けあいジャパン」が進めているプロジェクトです。

購入資金は緊急防災・減災事業債とCFを利用

まず自治体がトイレトレーラー購入を決めます。車体はアメリカのトイレトレーラーメーカーによる日本仕様品で、1台約2000万円かかりますが、国の緊急防災・減災事業債を利用すると、自治体負担は約3割となります。この自治体負担分を、ふるさと納税やクラウドファンディング(CF)で賄うのです。

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