送電線点検にドローン!電力10社が災害や物流も想定し情報共有

写真説明:鉄塔で送電線をつなぐ作業の様子(千葉県君津市で、2020年1月24日撮影)

位置情報などのデータベース化から自動飛行の点検へ

電力大手10社が、全国で約8万kmに及ぶ送電線の点検に小型無人機ドローンを活用するため、鉄塔の位置情報などを共有し、データベース化する。ドローンの飛行ルートを設定し、自動飛行で点検できるようにする。有人で行っていた点検作業を効率化するほか、将来は災害時の被害状況の把握や物流などにも活用したい考えだ。

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送電線点検の現状

送電線は、鉄塔の間に電線を張り、発電所と変電所の間で大量の電気を高電圧で送る設備。送電線や鉄塔の点検は、有人ヘリコプターで巡回したり、作業員が鉄塔に登ったりして行っている。人件費やヘリの燃料費などが負担となっている。

写真説明:作業員が鉄塔に登るなどで送電線の点検が行われている

ドローンの自動飛行が可能になれば、操縦する作業員の目が届かない遠距離の送電線も点検できる。落雷による損傷なども、ドローンに搭載したカメラで上空から点検した方が見つけやすい。

電力大手10社による取り組み

鉄塔や樹木などの障害物の位置や大きさといったデータを電力各社が出し合い、東京電力パワーグリッドや日立製作所、NTTデータなどが出資する事業体が飛行経路の設定や自動飛行のシステム開発を行う。ドローンによる自動点検は2022年度に東電管内から始め、2020年代後半にかけて全国へ広げる。

◆ドローンによる送電線網の点検のイメージ

将来構想は

将来的には、住宅へ電気を流す配電線や配電線を張った電柱の周辺も飛行経路として設定する方針だ。災害時にも、例えば土砂崩れで道がふさがれて現場に近付けなかった場合、自動飛行のドローンで被災状況を確認することができる。

写真説明:台風15号の影響で倒れた鉄塔(千葉県君津市で、2019年9月11日撮影)

(読売新聞 2021年10月14日掲載)

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