災害時にドローンどう使う?自治体とNPOの活用例集めました

上空、水中の撮影から物資輸送まで用途は年々拡大中

災害時に、小型無人機「ドローン」を活用する取り組みが広がっている。上空や水中での撮影のほか、物資輸送などでも活用が期待されている。

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自治体による活用例

発災直後の迅速な状況把握

ドローンは、被災状況を迅速に確認することができ、2018年の西日本豪雨などでも使われた。2021年7月の静岡県熱海市の土石流災害では、県が国土交通省中部地方整備局などに依頼し発生当日から現場を撮影した。県砂防課は「平地からの確認では、壊れた家までたどり着けない状況だった。初動で被害状況を把握するにはドローンが極めて有効だ」とする。

◆ドローンが実際の災害で使われた例

スピーカー搭載機で啓発・広報

神戸市はコロナ禍の2020年4月と、2021年1月と4月に、スピーカーを搭載したドローンを飛ばし、外出の自粛などを呼びかけた。同市危機管理室の担当者は「音声がはっきりとしており、災害時の避難誘導にも生かせる」と話す。

写真説明:コロナ禍で外出自粛を呼びかけるために神戸市内を飛行する(2021年4月、神戸市提供)

水難事故想定で水中動画の撮影

津波や水難事故で水中の動画を撮影するドローンも開発されており、広島県廿日市市消防本部などが導入している。

写真説明:災害や水難事故の捜索、救助に活用されている水中ドローン(スペースワン提供)

災害時に輸血用血液輸送すべく実証実験

災害時の利用を目指した実証実験も進む。兵庫県などは2021年10月、地震で山間部の道路が通行できない状況を想定し、輸血用血液を運ぶ実験を同県猪名川町で実施し、往復で24kmを飛行した(=写真、兵庫県提供)。

3Dレーザースキャナー搭載機を使って建造物復旧

大阪府や大阪市立大などは、立体的なデータが残せる「3D(3次元)レーザースキャナー」を搭載したヘリ型ドローンで岸和田城(岸和田市)を測量し、3Dモデル化する取り組みを進める。災害で損壊した城や庭園を復旧する際に役立てるほか、城の新たな魅力発信にも利用したい考えだ。

写真説明:災害で損壊した場合に備え、岸和田城を3Dレーザースキャナー搭載のドローンで計測した(2020年6月、大阪市立大学提供)

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