電気、ガスが使えなくてもできる「サバメシ」

「パスタやご飯系は湯煎前に少し水を入れ、具材に水分を吸わせるのが大切。湯煎後は熱いうちに、袋の上から優しくほぐすと固まりにくくなります」。助言を受けて再挑戦すると、麺はほぐれて本来のパスタの食感に仕上がりました。

 

災害時に「いつものご飯」が食べられるよう考案されたサバメシですが、材料の乾燥野菜やスキムミルク、おからパウダーなどをストックしておけば、普段の食事で不足しがちな栄養も補給でき、忙しい一人暮らしや料理が難しくなった高齢者にもおすすめです。日比野教授も新型コロナウイルスによる外出自粛で、普段通りに買い物へ行けなかった時期には、とても心強く感じられたそうです。

 

防災は日頃の備えが大切。非常食や水の備蓄はもちろんですが、これまでは「備えながら日常的に使う」という発想は持っていませんでした。これからスーパーなどに行く際には、「サバメシ」を意識して食材を選ぼうと思います。

ポイント

▽非常時の食事を特別なことと考えず、いつも食べている食品を少し余分に買って、賞味・消費期限の近い順に食べて、減った分を買い足す

▽水は1日1人あたり3ℓ、最低3日分を常備。期限が切れても捨てない。もしもの時には洗い物など飲用以外に使える

▽熱源はカセットコンロを使用。カセットボンベは1日3食で2本、3日分6本は備えておく

▽停電で冷蔵庫が使えない場合に備え、一度開けたペットボトルの水を何本か凍らせておく。保冷剤となり、飲料水としても使える

 

(読売新聞 2020年6月7日掲載 編集センター・橘薫)

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