地震・被災地を助けたい! コロナ下の災害ボランティア 

シナリオ3 支援物資 空回り…仕分けに人手

平日のボランティアが足りないという。ただ、太郎は仕事があり、被災地を訪れることができるのは週末だけだ。

 

「リモートでできる活動なんてないよね」。太郎の言葉を聞き、花子がスマートフォンの画面を見せてきた。最近の災害では、オンラインでの傾聴ボランティアの取り組みなどもあるという。「でも、今回はまだ、行われていないみたい。お金か物を寄付したら」と花子。

 

太郎は支援物資を送った。段ボール箱に、保存食や着ていない服など様々な物を詰め込んだ。「お金より、心がこもっていると思うんだ」

 

翌朝、太郎はニュースを見てがくぜんとする。仕分けに人手が割かれるため、一つの箱に1種類を詰めるよう、注意喚起していた。「逆に迷惑になったかな」。気持ちが空回りしているのを恥じた。

→現地入り準備

ボランティアは被害の報道が多い地域に偏りがち。被災地支援に取り組む全国社会福祉協議会のサイトなどで広く情報収集したい。被災自治体などへの直接の電話は緊急対応の妨げになる。食料や交通手段、活動が数日に及ぶ場合の宿泊先などは事前に確保する。ボランティア保険への加入は必須。最寄りの社会福祉協議会で申し込めば、被災地へ向かう途中のけがもカバーされる。

→現地での活動

がれきの撤去作業などでは、けがには十分に注意し、こまめに休憩を取るなど体調管理も心掛ける。被災地で迷惑をかけては元も子もない。

 

主な活動例

被災者への配慮が何より大事だ。まず、自分が活動するボランティア団体や自分の名前を記した名札を首から掛けるなど、身元を明らかにする。被災者がどう感じるかを常に考え、壊れた家屋の前で記念撮影をするといった行為は厳に慎む。

→リモート

インターネットを使い、遠隔地からできる災害ボランティア活動も出てきている。新型コロナの影響で現地に行けない場合も取り組める。

 

被災自治体のサイトや地元メディアの報道を基に、営業中の店舗や給水場所など被災者に役立つ情報を、ネット上の地図にわかりやすくまとめて表示するといった活動だ。被災者に寄り添う傾聴活動をビデオ会議システムを使って行う例も。

→寄付

金銭の寄付には主に、日本赤十字社などを通じて被災者に届ける「義援金」と、ボランティア団体などに送り、現地での支援活動に役立ててもらう「支援金」がある。近年は、ふるさと納税を活用した被災自治体への寄付金が急増している。

 

物資を寄付する際は、被災地で仕分けに手間取らないよう、内容物を明記するなどの配慮が必要だ。求められているもの以外は送らない。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS