警察・消防の防災SNS 知恵やゲームで浸透中

写真説明:東京消防庁のツイッターの一部

新型コロナウイルスの感染拡大で、人が密集する防災訓練の実施が難しくなっている中、警察や消防がSNSを活用した防災情報の発信に力を入れている。家庭でできる身近な対策やゲームを使った投稿が人気で、コロナ禍で薄れがちな防災への関心を高める狙いがある。

警視庁 ツイッターフォロワー85万人

「紙おむつを簡易トイレに代用できるか試しました」。警視庁災害対策課のツイッターに10月19日、子供用紙おむつに約1リットルの水を入れる実験が投稿された(下画像参照)。水は漏れず、「トイレ代わりに使用可能」と報告されると、「市販の携帯トイレを買うのはもったいない」などとコメントが相次ぎ、1日で約5300件のリツイート(転載)があった。

説明:警視庁災害対策課のツイッターの一部

同課は2013年からツイッターを始め、地震や台風などの災害情報を発信するほか、家庭でできる防災対策やその工夫を紹介している。「10円玉で袋を簡単に開ける方法」(下画像参照)「スプーンでの缶切り法」など、普段の生活にも役立つと人気で、フォロワーは約85万人。昨年3月には外国人向けに過去の投稿の英訳も始めた。

説明:警視庁災害対策課のツイッターの一部

今春、コロナ感染が拡大すると、「外出自粛のため自宅でSNSを見ている人が多いはず」と情報発信を強化。8月には、同課の投埜(なげの)大悟警部補(44)が自宅で電気、水道、ガスを一切使わず、妻と2~10歳の子ども4人と24時間を過ごした体験記をつづった。

 

風呂の残り湯はトイレの水洗にほぼ使い切ったことや、「お湯を沸かす時などにカセットコンロが必須」という妻の声を紹介。「懐中電灯は置く場所を定め、節水のためにトイレの水は毎回流さないなどのルールを事前に決めておくと良い」と呼びかけた。

実際に災害が起きた際に、ツイッターをどう活用できるかが課題だ。現在は気象庁の情報を転載するなどしているが、より多くの市民に見てもらうための方策を検討中という。

消防庁「あつ森」使って再生36万回

一方、東京消防庁は7月、任天堂の大ヒットゲーム「あつまれ どうぶつの森」(あつ森)を使った情報発信を始めた。

 

都内では例年、都民ら約230万人が防災訓練に参加するが、今年は「密」を避けるため、ほとんど実施できていない。そこで目を付けたのが、世界で累計2240万本(6月末時点)を売り上げた「あつ森」。独自のキャラクターを作ってゲーム内で日常生活を送り、その様子をSNSで発信できるため、企業の商品PRなどにも利用されている。

 

同庁は、消防職員の「あつお君」が暮らす無人島を「ボウサイ島」と命名。8月には「お部屋のレイアウトを見直そう」と題し、あつお君が一生懸命に家具を移動させる動画を投稿し、「地震によるケガの約3~5割が家具類の転倒、落下」とコメント。動画の再生数は約36万回に上った。

説明:無人島「ボウサイ島」で消防職員の「あつお君」が備えを訴える(東京消防庁のツイッターから)

災害時の行動にどう結びつけてもらうかがポイントで、防災の日の9月1日には地震発生時の行動として、あつお君が「机の下などで身を守ろう」「揺れが収まったら火の始末」と呼びかけ。台風14号が接近中の10月6日には、「命を最優先に、早めに避難などの行動を」と訴えた。

 

(読売新聞 2020年10月20日掲載)

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