心身に影響する「災害ストレス」PTSDもあり長引くなら専門家を

写真説明:西日本豪雨で避難所に身をよせた人たち。心身の不調を訴えた人もいたという(2018年、岡山県倉敷市真備町で)

災害を経験した被災者が不安な気持ちや眠れないなどの症状に悩むケースがある。2018年の西日本豪雨でもこうした症状を訴える人がみられた。「災害ストレス」と呼ばれるが、適切な治療や予防で症状を抑えることができる。

 

災害を体験した後は不安やイライラした気持ちなど誰もが心身に様々な影響を及ぼす。多くは次第に回復するが、災害時を思い出して苦しむ「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」などを発症する人もいる。

 

西日本豪雨で被災した岡山県内の女性は2019年春、県精神保健福祉センターの保健師に、家や仕事を失った悲しみや眠れない日々を初めて打ち明けた。保健師は、不安な気持ちが消えない「適応障害」を疑い、医師の診察を勧めた。女性は心療内科に通院し、現在は快方に向かっているという。

時間の経過で変わっていく

被災者の心理状態は、時間の経過とともに変化する。同センターなどによると、被災直後はぼう然とした状態になったり危険を顧みない行動を取ったりするが、1週間ほどすると復興に向かって被災者同士の連帯感が生まれ気持ちが高まる時期が来る。「ハネムーン期」と呼ばれる。無理をしすぎて心身の調子を崩しがちな時でもあるため、音楽を聴くなど気持ちを落ち着ける時間が必要だ。

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