情報収集が重要!防災ラジオの使い方・選び方

停電でテレビもスマホも使えない時に

台風や大地震などで停電するとテレビが見られず、スマートフォンも基地局の電源が切れて通信が途絶する恐れがあり、防災情報を入手するのが難しくなる。

 

そんな時に役立つのが、乾電池でも動くラジオだ。東日本大震災(2011年)の被災者を対象に、日本民間放送連盟研究所が行った調査では、災害情報を得るのに最も有用だったのはラジオで、「聞いている人に語りかけるような話法が被災者の支えになるなど、ラジオが持つ心理的な効用も大きかった」と分析している。

被災者は、どこで給水できるのか、どこの病院なら受診できるのか、といった、きめの細かい情報を求める。地域に密着したコミュニティー放送局は、こうした要望に対応しやすい。コミュニティー放送局は一つの市町村内で、地元情報に特化した番組を流している。8月現在で全国に329局あり、災害時に活躍した局もある。

2010年に鹿児島県・奄美大島で発生した豪雨は、高齢者施設で死者が出るなど、大きな被害を出した。この時、地元のコミュニティー放送局は5日間にわたり、24時間態勢で臨時番組を流した。スタッフを自治体の災害対策本部に常駐させて情報を集め、被災者から寄せられたメールも次々と読み上げた。

 

災害時には被災した自治体が臨時にFM放送局を開設することもできる。1995年の阪神大震災で兵庫県が行ったのを契機に制度化され、東日本大震災では28市町が開局した。

災害情報に詳しい近藤誠司・関西大准教授は「聞いている人の気持ちを和らげるなど、ラジオにはほかのメディアとは異なる特性がある。平時の防災啓発番組に、積極的に取り組むコミュニティー放送局も増えている。災害時に新聞を読み上げたのが好評だった事例もあり、新聞社と放送局が協定を結んでおくなど、報道機関の間での連携も進めてほしい。自治体は非常時に臨時放送局を円滑に運営できるよう、普段から準備しておくことも大切だ」と話している。

多機能、ワイドFM付きが便利

災害に備えて用意しておくラジオは、ライト(照明)や手回しで充電できる機能が付いている機種を選ぶと、いざという時に便利だ。

「ワイドFM」を受信できるかどうかも、大事なポイントになる。

 

AMラジオは高層ビルが多い都市部などでは、雑音が入って聞きにくい。その対策として、テレビの地上アナログ放送の終了に伴って空いた周波数帯の一部を利用して、AMラジオ番組を、雑音の少ないFM波で流す「ワイドFM」が2014年に始まった。

 

受信には90メガ・ヘルツ以上のFM波に対応したラジオが必要で、最近販売されている機種なら多くは対応しているが、古い機種では聞くことができない場合がある。

 

気象警報や自治体からの避難情報など、緊急の放送を受信すると、スイッチを切っている時でも自動で起動して音声が流れる防災ラジオも販売されている。市民向けに安価で販売したり無料で貸し出したりしている自治体もある。

 

(読売新聞 2019年9月29日掲載 編集委員・川西勝)

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