3.11東京 ターミナル駅で凍えながら待った

 

写真説明:池袋駅近くのコンビニも食料や使い捨てカイロなどを買い求める人たちでいっぱいだった(2011年3月11日午後8時、筆者撮影)

「立教大学が教室を開放している」。取材をするうち、こんな情報を通行人から聞いた。確かめようと、駅西口から徒歩10分程度の大学に向かった。校門前に職員が待機し、帰宅困難者を招き入れていた。通された講義室の椅子席には、学生からお年寄りまで、様々な人たちが、隙間なく座っていた。すこし窮屈だが、教室前方でテレビも放映され、鉄道運行情報も把握できる。何よりも暖房が効いて暖かく、教室に案内された人たちも、どこか安心したような表情だった。後に大学側に確認すると、大学の自主的な判断で開放し、翌朝までに4000人以上が利用したという。

写真説明:帰宅できなくなった人たちは様々な待機場所で一夜を明かした(東京・渋谷区の青山学院大学で。2011年3月11日撮影)

他にも待機場所があるのではないか? そう思い、東口の豊島区役所に向かった。思った通り、庁舎に隣接する公会堂が開放され、ホールの椅子席とロビーの床に座って、運転再開を待つ人たちがいた。区役所1階の長椅子や、パイプ椅子も利用できた。他にも、いくつかの公共施設が帰宅困難者を受け入れているという。しかし、池袋駅では積極的な案内は行われておらず、待機場所にいた人たちは、「他の人に聞いた」「ツイッター」「たまたま通りかかった」という人ばかりだった。

無断転載禁止

この記事をシェアする

オススメ記事

新着記事

公式SNS