阪神大震災の教え 今できる備えのススメ

「災害時=非常食」と考えがちだが、乾パンやアルファ化米など非常食だけでは栄養素が偏り、食欲減退にもつながりかねない。農林水産省は2019年3月に「災害時に備えた食品ストックガイド」を作り、栄養バランスも意識した備蓄を呼びかける。

まず第一に水。飲用と調理用を合わせ、1人1日3ℓが目安とされる。温かい食事を取るためには、カセットコンロとカセットボンベが必需品だ。皿を汚さないようにするラップや、材料を混ぜる時や加熱調理に便利なポリ袋などの雑貨も役立つ。

 

栄養不足を補う備えもしておきたい。たんぱく質はコンビーフ、サバなど肉や魚の缶詰、レトルトの牛丼の具などで摂取できる。過去の災害時には、野菜不足から便秘や口内炎に悩んだ人も多くいた。ジャガイモやタマネギなど長期保存の利くものを常備するほか、ワカメ、切り干し大根などの乾物、野菜ジュースやドライフルーツなどを活用すると良い。

 

保存方法、収納のコツ、備蓄食品をおいしく食べるためのレシピなどは「家庭備蓄ポータル」(農水省、https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/)のサイトで詳しく紹介されている。農水省の担当者は「災害時でも、おいしいものを食べれば気力が湧くはず。家族の好みの味を探し、楽しんで備えてほしい」と話す。

防災用品は「ないと困る」で選ぼう

阪神大震災の教訓を後世に伝えるために設立された「人と防災未来センター」(神戸市中央区)では震災や東日本大震災で被災した人たちの声を踏まえ、防災グッズのチェックリストをホームページで公開している。

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