コロナ禍を家族で乗り切るためには

感染症が大流行すると、対策を取っていても、自分や家族が感染するのではないかという不安がつきまとう。不確かな情報を信じて広めたり、思いも寄らず人に偏見を抱いたりしかねない。普段にも増して家族で支え合い、不安を和らげることが重要になる。

積極的に話す

「困難な状況下では、家族の新しい関係を作るくらいのつもりで、本音で語り合うようにしてほしい。不安も家族間で共有することで軽くできる」。家庭や職場でのコミュニケーションに詳しい日本産業カウンセラー協会(東京)のシニア産業カウンセラー、伊藤とく美さんは助言する。

感染症の大流行時は、感染予防のため、外出などが制約され、家庭内でも手洗いなどの対策を気を緩めずに行う必要がある。緊張感の中、仕事や家事、勉強なども怠ることはできず、ストレスをためることになりがちだ。

伊藤さんは家族で乗り切っていくには、抱えている仕事など、自分のことを普段以上に積極的に話す一方、意識して聞き上手になることが大切だと助言する。「家族だから話さなくてもわかるという考えを捨ててほしい。気軽に話せて『受け入れられている』と感じられれば、困難な状況下でも安心感につながります」と話す。

 

◆家族間で聞き上手になるための心構え

(伊藤さんの話を基に作成)

子どものストレス配慮

配慮がより必要なのが、子どもだ。兵庫県立大教授(臨床心理学)の冨永良喜さんは「何が起きているのか理解できるよう、親子で話し合うことが大事」という。例えば、慣れないマスクに不満を感じていれば、理由を説明する。

国立成育医療研究センター(東京)が9~10月、新型コロナウイルス感染症を巡って全国の小中高校生約2000人に行った調査では、約7割がストレスを感じていた。複数回答で、42%が「コロナのことを考えると嫌な気持ちになる」を、30%が「すぐにイライラする」を選んだ。

子どもにストレスがあるかを知る手がかりとして、冨永さんは作成に関わったチェックリストの利用を勧める。心と体の変化を尋ね、点数化するもので、2011年の東日本大震災や16年の熊本地震でも使われた。合計で5点以上の場合、スクールカウンセラーなどへの相談も検討すべきだという。「親子で回答を見ながら、なぜそうなったのか話し合うだけで、子どもは気が楽になります」と冨永さん。

 

感染症が長引けば、帰省なども難しくなる。遠方に住む高齢の両親への気配りは欠かせない。親子の関わり方に詳しい介護施設検索サイト「LIFULL介護」の編集長、小菅秀樹さんは、「定時に電話連絡することを心がけて」とアドバイスする。

外出の機会が減った親に、体を適度に動かしているか、食事を取れているか聞くだけでいい。曜日と時間を決めると、親は張り合いができる。きょうだいが協力し、電話を分担してもいい。

心配な場合は、親の居住地の地域包括支援センターに相談してみる方法もある。介護の必要がない高齢者の相談にも乗ってくれる。

「コロナ後を見据え、親との新しい交流様式を作る機会だと捉えて、連絡方法を考えてみては」と、小菅さんは話す。

◆家族の支え合い3か条

▽コミュニケーションを密に

▽子どもには丁寧に説明

▽遠方の老親へこまめに電話

 

(読売新聞 2020年12月16日掲載 「防災ニッポン 感染症」上)

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