ママの防災 紙おむつや菓子は常備しよう

写真説明:黒屋あやさんが自宅や車に常備している防災リュックの中身(一部)。紙おむつやラップ、文具、モバイルバッテリー、食料などが入っている

幼い子どもがいる家庭の備蓄

「地震大国」といわれる日本。幼い子どもがいる家庭では、どういった備蓄をしたらいいのだろう。

福岡市内で母親目線の「防災ママカフェ@福岡」を開く「備災ママスターズ福岡」の黒屋あやさんは「今なくなると自分や家族が困るものからそろえましょう」と話す。赤ちゃんのミルクや離乳食、アレルギー対応食、紙おむつなどだ。

食料は、最低3日分の備蓄が必要。「子どもは緊急時でも、食べたことがないものは受け付けないことがある」と黒屋さん。食べ慣れているものを備えよう。パッケージに好きなキャラクターが描かれているものを買っておくのもいい。

少し多めに食料を買い置きし、食べた分を補充する「ローリングストック」で備蓄すると、賞味期限切れを防げる。災害用の非常食のほか即席麺やレトルト食品なども充実させよう。

防災リュックに入れるもの

写真説明:黒屋あやさんが自宅や車に常備している防災リュックの中身(一部)。飲み物や非常食のほか携帯トイレまで。必要なものは多岐にわたる。

防災リュックにはお尻ふきや、使用済みおむつを入れても臭いが漏れない防臭袋なども入れておくといい。リュックは玄関先や車の中などに分けて置き、いつでも持ち出せるようにする。

「普段持ち歩くバッグにペットボトルの水やおやつなどを入れておくだけでも、備災の第一歩です」。黒屋さんは、小型のライトと笛も持ち歩いているそうだ。

全国で開かれている「防災ママカフェ®」の生みの親で、一般社団法人「スマートサプライビジョン」https://smart-supply.org/store/bousai-book(東京)特別講師のかもんまゆさんは、東日本大震災や熊本地震の被災者から声を集めて冊子「その時ママがすることは?」にまとめた。その中には「子どもの好きなおもちゃとお菓子を入れておいたので、避難所でも安心させられた」という熊本の被災者の体験談も紹介されている。

黒屋さんは「子どもに『大丈夫だよ』と言える備えをしておくことが、心のお守りになる」と話す。

家族で車中泊をしたり、非常食を食べてみたりするなど、災害時を想定した体験をしてみるのもおすすめだ。「もし災害が起きたらと考えてみることが大切。日頃から備災を意識し、それを習慣にしてほしい」と話している。

■普段のバッグに入れておきたいもの

・飲料水

・あめやチョコレートなどちょっとしたお菓子

・小型ライトと笛(黒屋さんは自宅や車のカギに取りつけて携帯している)

・家族の連絡先や、子どもの保育園や小学校の電話番号を書いた紙

・マスク、生理用品、ポケットティッシュ、非常用トイレ

 

(読売新聞 2018年4月16日掲載 連載「ママの防災」)

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