津波要警戒!南海トラフ地震は激震が時間差で襲うかも…

南海トラフ沿いでは、大地震が時間をおいて2回起きた例もある。このため、M8以上の地震が発生した場合、気象庁は想定震源域内で再び大地震が起きる可能性が高まっていることを知らせる「臨時情報(巨大地震警戒)」を最短2時間後に発表。津波からの避難が間に合わない住民に事前避難を求める。住民の心身への負担や経済への影響を考慮し、避難期間は1週間としている。

高い場所へ

◆津波の警報が出たらまず逃げる

津波からの避難は「遠い場所よりも高い場所」が基本だ。被害が想定される地域では緊急避難場所として、高い建物が「津波避難ビル」に指定されていたり、「津波避難タワー」が建設されていたりする。複数の箇所を把握し、避難経路も確認しておきたい。

津波が川を遡上(そじょう)して被害をもたらすことがある。海から離れていても安心せず、河川津波の恐れがないかにも注意する。

徒歩が原則

海の近くで大きな揺れや長く続く揺れを感じたり、津波の警報や注意報が出たりした場合、速やかに避難する。徒歩が原則。車を使うと渋滞の原因や徒歩避難の妨げとなる恐れがあるため、家族に高齢者がいたり、高台から離れていたりする場合などを除き、避ける。波が引いても自宅の確認などですぐには戻らない。第2波、第3波の可能性があり、警報などが解除されるまで避難場所にとどまる。

◆津波警報・注意報の種類

事前にイメージ

避難の具体的なイメージを持っていなければ、いざという時に適切に動けない。日頃から避難の疑似体験をしておくことが、冷静な行動につながる。

自治体作成のハザードマップや、スマートフォンのアプリなどを活用し、自宅や職場などから避難場所まで実際に歩いてみるとよい。自主防災組織などがあれば、訓練に積極的に参加して、地域の備えを把握しておきたい。

 

(読売新聞 2021年1月21日掲載 「防災ニッポン 津波」 科学部・松田晋一郎、生活部・大郷秀爾、梶彩夏、生活教育部・岡本久美子が担当しました)

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