車で避難せざるを得ない場合は慎重に運転したい。「信号機や踏切が稼働しなかったり、路面が損壊していたり、電柱が倒れていたりと、事故のリスクが大きい状況が想定される」と岩田さんは話す。
避難の際は、非常用持ち出し袋を取りに自宅に戻ったり、家族と途中で合流しようとしたりすると、間に合わない恐れがある。各自ですぐに避難することが大事だ。事前に避難場所での待ち合わせ地点を決めておくといい。
津波は何回も押し寄せることがあり、最初の波が一番高いとは限らない。巨大災害に詳しい関西大社会安全研究センター長の河田恵昭さんは、「波が引いても自宅に戻らず、警報などが解除されるまでは避難場所にとどまること」と助言する。
「津波フラッグ」導入 気象庁
夏に海水浴場などで海に入っていると、津波の発生を知るのが遅れる可能性がある。
気象庁が2020年6月に運用を始めた「津波フラッグ」=写真=は、赤と白の格子模様が描かれた旗を掲げ、津波警報などが発表されたことを視覚的に知らせる伝達手段だ。8月には神奈川県大磯町の海岸で、県と包括協定を結んだ日本ライフセービング協会(東京)所属のライフセーバーがフラッグを試験的に掲示するデモンストレーションを行った。
◆避難行動3か条
▽大きな揺れや警報で速やかに
▽徒歩が基本
▽すぐに戻らない
(読売新聞 2021年1月22日掲載 連載「防災ニッポン 津波・逃げる」中)
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