コロナ下で増加!災害時の車中泊避難のポイント

長野県はマップ公開

2019年10月の台風19号で、千曲川の氾濫など甚大な被害があった長野県は、2020年6月、車中泊避難が可能な場所を明示したマップをホームページで公開した。県危機管理防災課は、車中泊避難を推奨はしないとしながらも、「コロナを恐れて自宅にとどまるよりはいいと判断した」と説明する。

三重県玉城町は2020年9月、町内にあるパナソニック伊勢工場の駐車場を、車中泊のための一時避難所として利用できる協定を締結し、約100台分のスペースを確保した。町総務政策課は「分散避難の一つとして選択肢を増やした方がいいと考えた」とする。愛知県西尾市も、地元JAの施設を車中泊避難に利用できる協定を締結している。

認定NPO法人レスキューストックヤード(名古屋市)代表理事の栗田暢之さんは「避難所に入れない事情を抱える人が車中泊するのは必然で、行政は議論を始めるべきだ」と強調する。また、エコノミー症候群対策として、足を伸ばして寝られる空間を確保し、一酸化炭素中毒にならないよう、エンジンを必ず切るなどの注意点を住民は知っておく必要があるとも指摘する。

<エコノミークラス症候群>

足の静脈にできた血の塊(血栓)が肺に移動し、肺の動脈を詰まらせる病気の通称。長時間の飛行機移動で発症しやすいことから名付けられた。車中泊のように長時間、足を下に垂らして動かさないと血栓ができやすくなり、胸や足の痛みを感じたり、失神したりし、死に至るケースもある。

●アウトドア防災ガイドあんどうりすさんが提唱する車中泊のポイント「ばすだしで」

(読売新聞 2020年12月10日掲載 編集センター・内田郁恵)

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