シングル必見!専門家に聞く!ひとり暮らしのコロナ対策

コンビニや出前を賢く利用

感染が広がる新型コロナウイルス。熱やせきが出て「自分も感染した?」と疑うようなことが、これから起きるかもしれない。そんな「もしや」の場面を想像してみたら、ひとり暮らしの弱点も見えてくる。備えと対策について専門家に聞いた。

「熱下がらない」ときは

朝、東京都内でひとり暮らしをしている弁護士の男性(27)は体温計を見て不安になった。前日出た37度の熱が下がっていない。のどに痛みもある。「もしかして、新型コロナかも」。念のために仕事をテレワークにし、外出を控えた。

普段の食生活は外食とコンビニが頼りで、この日は冷蔵庫にあったヨーグルトとカップラーメン1杯でしのいだ。幸い、その翌日に熱は下がった。「もし、自宅にこもるのが長期化していたら、近くに頼れる親戚もいないし、すごく困ったと思う」

熱が2日続いたらできれば休んだ方が……というつっこみはさておいて、同じひとり住まいの者として聞きながら身につまされた。単身生活なら同居家族への感染を心配する必要はない反面、身の回りのことを自分ひとりで対処できるだけの準備が必要になりそうだ。

「ウイルス対策も、防災も一緒です。日頃の備えがあれば心配ありません」。そうアドバイスをくれたのは、危機管理教育研究所(東京)代表の国崎信江さん(=写真・危機管理教育研究所提供)。

なるほど、食品や日用品が手に入れにくくなる状況は、災害時と同じといえば同じだ。長期保存できる非常食などの備えは今回のような「もしも」にも役に立つ。

レトルトカレーやパスタなど好きなものでOK

「いわゆる非常食に限らず、自分の好きなものでいいんです。たとえば、レトルトカレーやパスタ麺、シリアル、サバの缶詰など長期保存のきくものを買う時に、多めに買うことを心がけましょう」

ほかに、国崎さんは果物を欠かさず用意しているという。火や水が不要で栄養と水分が取れるからだ。

ひとりだと、部屋が狭くて収納スペースがない場合もあり、買ったのに使い切れない食品ロスを避けるため「その日食べるものを食べられるだけ」買う生活をしがちだ。実は私もそう。でも、そんな生活も「コンビニに走ればいつでも買える」から成り立っている。「在庫を持たない」暮らしはいざとなったらやっぱり弱い。

「中国での感染拡大で、トイレットペーパーが手に入らなくなる」というデマがSNSで広がり、各地のスーパーなどで買えなくなる事態も起きた。

「備えがあれば、デマにだって惑わされませんよ。人は喉元を過ぎたことは忘れがちですが、今回『なくなったら困る』と分かったものをリスト化しておいて、次の危機に備えて、準備をしたらいいと思います」と国崎さんは話した。

備蓄を置いておくスペースがない場合は、安く借りられるトランクルームの利用も検討したい。

「体力のある若い人は特に、自分が外出できない状況をイメージできず、『身一つくらい何とかなる』と思いがちです」。単身者の困りごと相談に乗る市民団体「単身けん」(東京)の事務局長、石川由紀さん(75)はそう指摘する。「自然災害で交通機関が止まり、コンビニなども機能しなくなることもあります。2、3日の食事のストックは用意しておくといいでしょう」。作り置きの習慣があったおかげで、阪神大震災の後に非常に助かったという会員もいるという。

出前利用する時に注意すべきことは…

出前も、よくお世話になるサービスだが、感染を心配している場合には、どんなことに気を付けたらよいだろう。

受け渡し場所や決済方法

愛知医科大学病院感染症科・三鴨広繁主任教授(=写真)は「熱が続いて自分で感染を強く疑っているような場合は、事前に電話などで商品を玄関に置いてもらうよう頼んだり、インターネット決済にしたり、直接のやりとりを避けた方がよいでしょう。特に、食べ終わったら返却せずに捨てられる容器で提供してもらうことが重要です」と話した。

ヘルパーや家事代行は利用前に正直に話す

では、ヘルパーや家事代行のサービスを利用している場合は……。

「神経質になりすぎる必要はないですが、自分で感染を疑っているなら、正直に話すことがエチケットです。マスクや手袋、アルコール消毒液を持参してもらうなど、相手が予防策をとれるように事前に知らせておきましょう」

友達に何かをしてもらう場合も、そうした配慮は必要だろう。

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