テントでの避難生活 自宅で疑似体験
自宅で家族がテントを使って、災害時の避難生活を疑似体験する取り組みにも関心が集まっている。
身近な防災の啓発などに取り組む危機管理教育研究所(東京都)の国崎信江代表は「おうちキャンプ」と名付け、自宅にテントを張って水道やガス、電気を使わずに生活する防災訓練を提唱する。
◆自宅でテントを使った避難生活「おうちキャンプ」を体験しよう
【実施方法】
■水道、ガスの元栓を閉め、電気のブレーカーも部分的に切る(災害時と同じ状況を再現)
■テントを張り、3時間以上生活してみる
■無理をせず、つらいと感じたら中止する
【用意するもの】
□カセットコンロ、ガスボンベ
□水(ペットボトル)
□レトルト食品や缶詰、即席ラーメンなどの食料品
□乾電池、携帯ラジオ
□毛布など
□ポリ袋
□懐中電灯やランタン
□ティッシュペーパー、トイレットペーパー
【体験して感じたことを話し合う】
体験者の感想
※危機管理教育研究所への取材を基に作成
訓練を通してテント生活での課題が浮かび上がる。例えば、真っ暗な夜に懐中電灯を持ちながら料理をすると、両手が使えず不便に感じる。また、水が使えないと排せつ物の処理ができないことや、エアコンがないと体への負担が大きいことなど経験から初めてわかることが多いという。
性別や年齢で、それぞれが感じるポイントが違うので、訓練後は体験者が意見交換し、困ったことなどを共有しておくとよい。国崎代表は「訓練を重ねることで足りないものへの備えや心構えができ、実際に災害が起きても慌てずに行動できる」と話す。
(読売新聞 2020年9月27日掲載「減災」 科学医療部・長尾尚実)
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