コロナ禍の防災「密」回避で在宅・車中泊を選んだら…

車中泊を選ぶなら「エコノミークラス症候群」対策を

災害時の避難で「密」を避ける方法の一つが車中泊だが、「エコノミークラス症候群」になるリスクを伴う。熊本市民病院の首席診療部長、橋本洋一郎さん=提供写真=は、「最悪の場合、亡くなる恐れもあります」と警鐘を鳴らす。

エコノミークラス症候群は、脚の静脈にできた血の塊(血栓)が肺に移動して、肺の動脈を詰まらせる病気の通称。車中泊のように長時間、狭い場所で脚を動かさずにいると血栓ができやすくなる。胸の痛みや息苦しさなどが生じ、死に至ることもある。

脚を曲げずに寝る かかとの上げ下げ運動や水分補給も大切

車中泊をする際は、後部座席を倒すなどして水平に横たわれるようにし、脚を曲げずに寝る。脚の位置を頭より少し高くすると、全身を巡った血液が心臓に戻りやすくなる。

予防には、かかとの上げ下げなど脚の運動をしたり、ふくらはぎをマッサージしたりすることが役立つ。ゆったりした服を着て、ベルトをきつく締めないようにする。水分補給も大切。利尿作用のあるカフェインやアルコールは控える。

◆かかとやつま先の上げ下ろし運動

2016年4月の熊本地震では車中泊をする人が多くいたため、橋本さんは、巡回してエコノミークラス症候群の予防を呼びかけた。その後、熊本地震で被災した人の健康状態を追跡調査。地震後にエコノミークラス症候群で入院して治療を受けた51人のうち、車中泊していた人は42人だった。車内で過ごした翌日に倒れて亡くなった50歳代の女性もいた。

橋本さんは「コロナ禍では、災害時に車に避難することも考えなければならない。予防策を知り、車中泊をする際には実行してほしい」と呼びかける。

◆エコノミークラス症候群の予防のために心がけたいこと(厚生労働省の資料を基に作成)
・軽い体操やストレッチを行う
・こまめに水分を取る
・アルコールを控える
・ゆったりとした服装。ベルトをきつく締めない
・かかとやつま先の上げ下ろし、足首回し、足指を開いて握る運動などで脚を動かす
・ふくらはぎを軽くもむ
・眠るときは脚を上げる

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