噴火への備え 降灰中はできるだけ屋内にとどまる

写真説明:火山灰でかすむ道路をヘッドライトを点灯して走る車(2011年1月28日、宮崎県高原町で)=中嶋基樹撮影

火山災害に巻き込まれると想定している人が、どれほどいるだろう。だが、111の活火山を抱えた火山国では、住む場所や訪れた先で、いつ噴火に遭遇しないとも限らない。万が一に備え、防災に必要な知識を学んでおきたい。

火山灰で息が苦しく目も痛い

「活火山だが、あれほど大規模な噴火が起きるとは思っていなかった」。宮崎県高原町の町職員、中嶋雄二さん(48)は、火山灰が町を覆った10年前を振り返る。

町役場から西に約10km。鹿児島との県境にある霧島連山・新燃(しんもえ)岳で大規模な噴火が観測されたのは、2011年1月27日だ。噴火前、エメラルドグリーンに輝く火口湖は登山客に人気だったこともあり、がくぜんとした。

火山灰は町中心部にも届き、日中でも薄暗かった。外を歩くと息苦しく、目も痛い。仕事でやむなく車を運転すると、濃い霧の中のように視界が悪かった。どの車も速度を落とし、ヘッドライトをつけていた。火山灰は住宅の中にも入り込む。「廊下がホコリっぽく、掃除しても切りがなかった」

噴火は2011年9月まで続き、火山灰は多い所で5cmほど積もったという。宮崎県都城市などでも被害が出た。

写真説明:降り積もった火山灰(2011年1月28日、宮崎県都城市で)=中嶋基樹撮影

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