富士山が噴火したら!最悪想定の「首都マヒ」に備える

富士山噴火時は大量の灰が降り積もり復旧を阻む

富士山の大規模噴火を巡っては、国の中央防災会議作業部会が2020年4月、首都圏に及ぼす影響の試算を公表した。都心部の新宿でも、降り積もる火山灰が最大10cm程度の厚さに達し、首都機能がマヒする恐れがあるとしている。

試算では、火山灰が江戸の町を襲った宝永噴火を参考に、風向や風速などを変えた3パターンを想定。降雨の有無も考慮し、交通網やライフラインなどの影響を見積もった。

被害が最大となるのは、西南西の風が吹いて降雨を伴うケース。噴火3時間後には関東一円で鉄道運行に支障が出るなど、交通網が大打撃を受け、停電や断水の恐れもある。除去が必要な火山灰は、東日本大震災で生じた災害廃棄物の10倍(約4・9億㎥)にも上り、復旧・復興の足かせになると危惧されている。

◆富士山の噴火で火山灰の影響が最も大きくなるケース(噴火から15日間で、主に西南西の風が吹き、雨が降った場合)

説明:中央防災会議の作業部会の資料を基に作成

対策としては、活発な噴火活動を続ける鹿児島市・桜島周辺の取り組みが参考になる。同市は火山灰専用の路面清掃車を配備しているほか、上水道の汚濁を防ぐため浄水場に蓋を付けるなどの対策を講じている。

写真説明:東京都心の高層ビル群の奥に見える初冠雪の富士山(2020年9月28日撮影)

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