東日本大震災の伝承館 岩手・宮城・福島でオープン

説明:整備が進む東日本大震災の伝承館

震災の風化を防ぎ、復興を発信する拠点に

東日本大震災の教訓を後世に伝える施設が、岩手、福島、宮城の3県で相次いでオープンしている。津波や福島第一原発事故に関する当時の記録や被災者らの証言を収めた映像を展示する施設は、震災の風化を防止するとともに、復興した姿を発信する拠点としても期待がかかる。

福島・除染の防護服を展示

※カッコ内は連絡先

福島県双葉町中野地区に昨年9月20日、東日本大震災・原子力災害伝承館が開館した。
津波が押し寄せた農地をかさ上げした場所に立ち、津波で流されたポストや除染時に使われた防護服など約170点を展示。津波と原発事故の複合災害の現実を伝える。

高さ約5m、幅約8mの壁に計6面、床と合わせて計7面のスクリーンを配置したシアターは、震災前の地域や避難を強いられた住民の生活、除染作業などの取り組みが映像で流れる。同館の担当者は「過ぎたことではなく、災害時に自分だったらどうするか考えながら見てほしい」と話す。

岩手・当時の災害対策室を再現

※カッコ内は連絡先

岩手県陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園内に2019年9月に開館した東日本大震災津波伝承館。津波にのまれて破損した消防車両や橋げたなどが、威力のすさまじさを物語る。館内のブースには、災害対応拠点の一つだった国土交通省東北地方整備局の災害対策室を再現。当時、最前線で対応に当たった職員のインタビュー映像も見ることができる。

「奇跡の一本松」もある公園は、現在も広場などの整備が進んでおり、2021年度中に敷地全体で震災の学習や犠牲者の追悼ができる場所として完成する。同館の熊谷正則副館長(58)は「10年が過ぎても災害の恐ろしさを忘れてはいけないと伝え続けることが我々の使命だ」と力を込める。

写真説明:修学旅行で訪れ、津波にのまれて破損した消防車両を見る生徒たち

宮城・語り部の証言映像

※カッコ内は連絡先

宮城県石巻市では、3月28日に「みやぎ東日本大震災津波伝承館」が開館した。津波や火災で約500人が亡くなった住宅街の跡地に建てられ、一帯は石巻南浜津波復興祈念公園となる。

館内の展示では、県内の語り部など総勢80人のインタビュー映像が目玉だ。県内の震災遺構をまとめた地図も掲示。実際に現地を訪れてもらうためのゲートウェー(入り口)機能を目指す。

県震災復興推進課の担当者は「災害から命を守るための行動の大切さを後世に伝えていくというメッセージを発信したい」と話している。

(読売新聞 2月23日掲載)

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